日本人はいつからこうも狭量になったのか

大阪・南港の複合商業施設に設置されたストリートピアノが3月下旬、「練習は家でしてください」という投稿を受けて撤去されたという。長野では子供の声がうるさい」と“たった一人の住民”が訴え続けた結果、公園の閉鎖が決まった。また電車などで赤ちゃんの泣き声がうるさいと、母親にあからさまに文句をいう人もいるという。

大阪の例では、3月22日、「アジア太平洋トレードセンター」(ATC、大阪市住之江区)のフードコートにある「南港ストリートピアノ」のX(旧ツイッター)への投稿が発端だ。練習は家でするよう訴える注意書きの画像とともに、「人の練習聞かされる側はたまったもんじゃない」と書いてあった。運営者側は謝罪のすえ、ピアノを撤去したとXで報告した。

ブログ子はNHKBSの番組「街角ピアノ」が好きでよく聴いている。番宣に「世界の空港・駅・街角に置かれた“自由に弾けるピアノ”。人々が思い思いに音楽を紡ぎ、行き交う人が耳を傾ける。一台のピアノから生まれる“一期一会”の感動・・・」とあるが、その通りで、世界にはこんなにも「普通の人」がピアノが弾けることに感心し、持ち合わせていないわが身の不運を嘆くこともあるが、様々な人の人生の一端が覗けて楽しい。

公園のそばに住んでいればこどもの声がうるさいくらい当たり前だろう、赤ちゃんは泣くのが仕事だから文句を言う筋合いはこちらにはない。ことさらに文句を言う人間はきっと、「聴覚過敏症」なのだろうから病院に早く行くことを勧める。

(引用開始)
2008年に英国で始まったとされるストリートピアノ。日本では九州新幹線の全面開通を目前にした平成23年2月、「地域の活性化に」と鹿児島市の商店街が設置したのが初めとされ、その後各地に広まった。

令和元年秋に岡山県で初めて導入した商業施設「イコットニコット」(岡山市北区)では、館内に響く大音量の演奏にトラブルが多発し、1年3カ月で廃止された。兵庫県加古川市も4年秋にJR加古川駅に設置したが、わずか半年で撤去。市担当者は「通勤通学でいつも耳にするため、許容されにくかったのかもしれない」と振り返る。

成功例もある。神戸市では平成31年1月の地下商店街「デュオこうべ」を皮切りに、駅や商業施設などに市が29台、民間が5台設置した。苦情はなくはないが、「撤去につながるほどではない」と市担当者。定着した理由を「音楽イベントの多い街なので、ピアノの音になじみがあるのでは」と推察する。「訪れた人の思い出作りに」と、東京都が同年4月に展望室に設置したピアノも、専従のスタッフが隣についているためか、特に苦情はないという。(産経新聞 藤井沙織 2025/4/5)
(引用終わり)

ブログ子はこと音楽に関しては「壊滅的」な技量と知識しかない。だから、もしブログ子がストリートピアノの演奏をしたならば、近隣から山ほどの苦情が殺到するであろうから、引き下がるしかない。しかし、上で紹介したようなケースは、これまでの日本では周りが温情をもって接してきたことだ。

どうも戦後教育で、個人の権利とか人権とかが先に出て、社会の融和とか協調の面が後になっているような悪しき風潮のせいであると思う。

有体に言えば「そのくらい我慢しろ」ということだ。


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