高市早苗首相「台湾有事発言」をめぐる問題への中国のヒステリーはとどまるところをしらない。当たり前のことを従前の政府見解通りに答えたのすぎない高市発言を欺瞞と虚偽まみれの汚い言葉であげつらう”自称大国”は「
一瞬の躊躇もなく斬ってやるやるしかない」。次にはレアアースもパンダも繰り出してくるのだろう。
チャイナと言う国は3000年の昔から「夜郎自大」をもっぱらにしてきたから驚くことはないが、日本国内にこんな国に「内通」する勢力が跋扈しているのが問題だ。その最たるものが朝日新聞と立憲民主党だ。

朝日が7日の衆院予算委員会での首相の答弁を受けて同日午後4時前に配信した初報の見出しは「高市首相、台湾有事『存立危機事態になりうる』 認定なら武力行使も」とある。これだと、日本側が先制攻撃を示唆するかのようにもとられかねない。事実、中国の薛剣駐大阪総領事はこれに反応してゲスな投稿(写真左)をした。
案の定、習近平の顔色を窺った常識外れの愚かな一文は国際的な外交スキャンダルとなったのだが、どうしたことか朝日新聞は問題の箇所をこっそり「武力攻撃の発生時」と書き換えていた(写真右)。朝日新聞社広報部は産経新聞の取材に対し、7日時点で見出しを更新したといい、「批判を受けて修正したものではない」とコメントした。
「7日時点で見出しを更新した」、というが、画面見ての通り薛剣駐大阪総領事の発信時刻は8日午後11時過ぎである。朝日の説明と矛盾しているのだ。

次は立憲民主党である。7日の衆院予算委員会で、岡田克也議員が高市早苗総理に対し、「どういう場合に中国による台湾の海上封鎖が存立危機事態になるのか」という質問に対し、高市総理は当初、「いかなる事態が存立危機事態に該当するかというのは、実際にその発生した事態の個別具体的な状況に即して、全ての情報を総合して判断しなければならないと考えております」と従来の政府見解をなぞった答弁をしていた。
だが、重ねて岡田議員が、台湾とフィリピンの間のバシー海峡を中国が封鎖したら存立危機事態に該当するのかと聞いたのに対し、高市総理は、民間の船舶を海峡に並べるのではなく軍艦で封鎖し、それを解くために来援した米軍に武力行使が行われた場合は、存立危機事態に該当するかどうか情報を総合的に判断しなければならない旨答弁した。
ここで、岡田議員が矛を収めておけば今のような事態は発生しなかっただろう。しかし、それでもなお岡田議員は納得せず、台湾有事、日本有事という意味のよく分からない言葉を軽々しく使うことは極めて問題だとし、高市総理の答弁を求めた。
これに対し、高市総理が、有事というのはいろいろなケースが考えられるが最悪ケースを想定しておくことが重要だとした上で、その最悪ケースとして「戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースである私は考える。実際に発生した事態の個別具体的な状況に応じて、政府が全ての情報を総合して判断するということだ」と答弁した。
「戦艦」は「軍艦」の言い間違いだろうが、それまでの答弁の流れを見れば、ここで言っている「武力の行使」というのが、来援した米軍に対する武力の行使であることは明らかで、この答弁は存立危機事態の解釈として、従来の政府の見解の枠内で至極当然のことを言っているにすぎない。
立憲民主党内では問題発言を引き出したと勝ち誇った声があるようだが、何をほざくか。有事という時日本がどう判断しどう行動するかと言うのは秘中の秘である。敵に手の内を見せて喜ぶのはスパイくらいだろうから、この党は遅ればせながらやっと検討が始まった「スパイ防止法」で真っ先に対象にすべき危険な輩と言うことを如実に示している。
武力攻撃事態対処法でいう「存立危機事態」は2つの要件で構成されている。
一つは、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生すること。二つは、それにより、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることである。
一つ目については、条文の書き方も比較的明確であるため、その要件に該当するかどうかを判断することはそれほど困難ではない。だが二つ目については、条文の書き方が抽象的になっているため、その判断基準が明確ではなく、最終的には政府の裁量によることになる。
例えば、台湾有事を考えた場合、台湾近海に来援した米軍の艦船を人民解放軍が攻撃すれば、一つ目の要件が満たされたと判断することはそれほど困難ではない。
問題は、米軍の艦船に対する攻撃がどの程度に達したら、それによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることになるのか-ということである。(23日産経 弁護士・高井康行「疾風勁草」 から)
二つ目の要件が抽象的に過ぎ、政府の裁量の範囲が広すぎるのではないか、したがって、その規定には憲法違反のおそれがあるのではないか-ということは以前から言われていた。立憲民主党内でも同党の枝野幸男議員が、武力攻撃事態対処法には違憲の部分はないとの見解を示している。微妙にしておくことしかない部分をことさら暴き出して「敵に塩を送る」行為は立派な「国賊」である。