「時代おくれ」が好きな安美錦に惚れた

大相撲九州場所千秋楽でウクライナ出身の関脇安青錦=本名ダニーロ・ヤブグシシン、安治川部屋=が初優勝した。

先場所くらいからひそかに応援してきた。ロシアのプーチンによる悪逆非道の侵攻を受けているウクライナへの同情ということもあるが、日本の大相撲を席巻しているモンゴル力士の無作法がどうにも我慢できないでいたからだ。近くで言えば白鵬の”凶器のかち上げ”や豊昇龍の張り手や駄目押しにうんざりしていた。付け加えると照ノ富士と鶴竜を除く。モンゴル嫌いで言っているのではない。

彼らはモンゴル相撲という日本相撲と似たものをもつからある程度強いのはわかるが、そのような下地がないウクライナから戦火を逃れて来日して、数年、流暢な日本語を会得して、頭を下げて低い立ち合いから一気に前に出る昔ながらの日本相撲の基本を守っているその”古風”さがよい。

その安美錦が豊昇龍を成す術もなく送り投げで下した一瞬、日本中が喝采した。もちろんブログ子も快哉を叫んだのだが翌日の新聞のプロフィール欄に「好きな歌は河島英五の『時代おくれ』」とあるのにしびれた。

ワイドショーで、「好きな音楽が河島英五って、なかなかシブいですね。どこがいいんですか? 河島英五さんの」と聞かれて、「なんて言うんですかね。力士ってカラオケで歌を歌わないといけない時があるんですよ。それで、こんな顔で(バタくさい顔ということか)『時代おくれ』を歌ったら、いいなあと思って」と答えていたから、受けを狙ったのだろうがなかなかの曲者である。

何を隠そう、ブログ子もまたその『時代おくれ』が好きで、PCに貼り付けて時々聞いているのである。正確に言えばこの歌は河島英五でなく昭和歌謡曲を代表する阿久悠の作詞だが、河島英五がピアノで弾き語りするのが一番グッとくるので「河島…」で定着している。

われ先にしゃしゃり出るのがよしとされる時代に逆らって

http://www.h-h-a.org/ob/movie/jidaiokure.mp4(ここクリックで動画再生)

「妻には涙を見せないで 子供に愚痴をきかせずに 男の嘆きはほろ酔いで 酒場の隅に置いて行く 目立たぬように はしゃがぬように 似合わぬことは 無理をせず 人の心を見つめつづける 時代おくれの男になりたい」 

昭和生まれの男の生き方を代言してグッとくるのである。

「化石」と表現される古い世代だが、21歳の安美錦のおかげで、今の日本の繫栄をつくったのは昭和世代であることを再確認させてくれた。


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