年末のんびり過ごした。ここ何年も紅白を見なくなったし初詣もやめた、賀状出すのも以前の三分の一だからすぐ終わる。新年とておなじだったが、2日に箱根駅伝で5区で青山学院の「シン・山の神」の驚異の逆転劇をみて今年はなにか大きなことが起きるかもと予感したものだ。
はたして、その数時間後の1月2日午後10時46分(米東部時間・日本時間3日午前0時46分)、ドナルド・トランプ米大統領が南米ベネズエラに対する地上軍事攻撃と、ニコラス・マドゥロ大統領夫妻の拘束、アメリカ本土に拉致して裁判にかけるという驚きの行動に出た。

これに対し、米国の行為は、現代の国際秩序の前提となっている独立国の主権を侵すものだとの非難の声が世界中から起こったが、トランプは馬耳東風。これまでにも、「カナダは米国の51番目の州になるべきだ」「パナマ運河の支配権を取り戻す」「(米国には)グリーンランドが必要だ」など、他国の主権を意に介さない発言を繰り返してきたが、本当にやりかねない。
中東も激変した。イランが崩壊の瀬戸際にたっている。親米のパーレビ王朝を倒してできた政教一致政権は、米国とイスラエルの影響力に対抗するため、ハマスやヒズボラといった武装組織を支援する政策を追求してきた。ところが物価の上昇と通貨の急落をきっかけに、2025年12月下旬から始まった抗議運動は、いまやイラン31州の大半に広がった。デモ隊は「独裁者(最高指導者アリ・ハメネイ師を指している)に死を」という叫びをあげている。ハメネイは虐殺もいとわない弾圧を加えているものの一気に崩壊する可能性がある。

外電をみるのに追われていたら足元の日本でも一気に解散総選挙の流れである。読売新聞が10日朝刊(ネットは9日夜)で、高市首相が23日召集予定の通常国会冒頭で解散する検討に入ったと報じた。高市内閣は報道各社の世論調査で、発足当初から高い支持率(75%台の)をキープしている。昨年12月には、大規模な経済政策の裏付けとなる今年度の補正予算を成立させていた。
このブログでも再三、お経のように「平和」をとなえるばかりのノーテンキな野党に鉄槌を下すべく早期解散の勧めを書いてきたが、大手紙も自民党内も、解散は「通常国会会期末の初夏」や「秋の臨時国会の会期末」が望ましいという声ばかりだった。読売報道どおりなら早くも年末恒例の新聞協会賞もののスクープだ。
解散を決断した大きな理由として、おそらく「国際情勢の変化」があったのではないか。 トランプ米政権が新年早々、「麻薬対策」を掲げて南米ベネズエラを攻撃し、反米社会主義者のマドゥロ大統領を拘束した。中国の対日強硬姿勢も止まらず、年明け以降、軍民両用(デュアルユース)品目の輸出規制を強化し、レアアース(希土類)を制限し始めた。高市首相としては、「強い政権基盤がなければ外交ができない」と判断し、通常国会冒頭の解散が急浮上したのではないか。(岩田明子氏)
安倍晋三首相の懐深く食い込んだ元NHK記者の見立てにブログ子も同感だ。ブログ子はトランプの民主主義を踏みにじる強引なディール外交は好きではない。しかし、地球儀の上に立ち世界を俯瞰した「鳥の目」で見ると、すべてが驕慢国家「中国」許すまじという堪忍袋の緒を切った行動であることがわかるのである。ケースごとに見てみよう。
≪ベネズエラ≫
と習近平国家主席=2023年9月、北京の人民大会堂(ロイター).jpg)
米国の「裏庭」といえる南米にあり世界最大規模の原油埋蔵量を誇るベネズエラには中国がじわじわと浸透していた。中国は、1999年に誕生した反米左派のチャベス政権、そして後継マドゥロ政権に約600億ドル(約9兆円)もの巨額の融資をしており、見返りとしてベネズエラの石油輸出の約 55〜80% を中国が購入していた。
(右写真 2023年9月北京にマドゥロ大統領を迎えた習近平)
アメリカの裏庭が「反米の拠点」になるのを許すわけがない。トランプは今年4月に訪中する。習近平国家主席との直接交渉でディール(取引)を勝ち取るためにも、その前に中国をベネズエラから締め出して立場を強くしておく必要があったのだ。今回の行動で隣の反米国コロンビアは震えあがり、ベネズエラに依存していたキューバは破綻寸前に陥っていることをみても、効果は顕著なものがある。
≪グリーンランド≫
トランプは、グリーンランドを領有する野心を明確にし、軍事的手段も辞さないという。「中国とロシアの船舶がグリーンランド周辺海域にうじゃうじゃいる」と、中国とロシアの野望をくじくことにあると明言している。
デンマーク王国の自治領であるグリーンランド。面積は約216万平方キロと日本の約6倍もあるが人口はわずか5万7000人。かつてはデンマーク王国の植民地だったが第二次世界大戦中にはナチス・ドイツの占領下に置かれ、その後は米国の保護下に入り、戦後にデンマークへ返還された。米国は同島に軍事基地を保有している。
この小さな国への覇権争いの渦中にあるのは、この国がレアアース(希土類)などの戦略資源の宝庫であることもあるが、それより大きな重要性をもつのは、北極海航路の要綱という地政学的位置にあるからだ。

厚い氷が覆う北極だが温暖化に伴って海氷の融解が進んだ結果、航路として利用できる可能性が増している。北極海航路を活用すれば、スエズ運河や喜望峰を経由する「南回り航路」より、アジアと欧州をおよそ半分の短期間で行き来できる。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海で商船への攻撃を展開し、海運業界には南回りを避ける動きがあることも北極圏への関心を後押しする。
中国はロシアと連携し、「氷上のシルクロード」と称する航路の開発に力を注いでいる。米国は中露進出が安全保障上の脅威になるとして警戒を強め、カナダも新たに哨戒艦を導入した。地球温暖化による海氷の減少が各国の進出を後押ししており、戦略上の重要地点として北極の存在感が急速に高まっているのだ。ところがその北極海航路にある北欧諸国はじめNATOの反応があきれるほど鈍い。
デンマークのフレデリクセン首相は、いまごろになって「トランプがグリーンランドを領有すれば、NATOは終わる」と警告しているが、中国とロシアの勝手な振る舞いにこれまでほとんどほとんど拱手傍観を通してきた。英紙テレグラフは10日、英政府がデンマーク自治領グリーンランドを中国やロシアから防衛するため、軍部隊の現地派遣を欧州の同盟国と協議していると伝えたが遅すぎるのである。
≪イラン≫
さらには、トランプは、イランの現政権の打倒をも示唆している。こちらは中国の「魔の手」というより、アメリカの長年の願望だ。
イランでは、経済状況の悪化と政治的締め付けに反発する市民の抗議活動が全土に拡大している。 ホメイニの弾圧でデモの死者は500人に達しているという。今回のイランの抗議活動が始まった2025年12月28日には、抗議活動の背景には、イラン・リヤルの史上最低水準への暴落があった。1年前と比してインフレ率は42.2%に達し、食品の高騰は72%、医薬品は50%以上の値上がりを記録している。

イラン各地でイラン・イスラム共和国の国旗が燃やされる一方で、緑、白、赤の三色旗の中央にライオンと太陽を描く王政時代の国旗が公然と市民によって掲げられている。これは、イラン国民が「イスラム共和国体制」をもはや正統な統治体制として認めないということを象徴している。
1979年革命の基礎となったバザール商人(イラン社会を象徴)と聖職者(イランの宗教を象徴)の歴史的同盟が完全に崩壊し、イラン社会そのものが、聖職者とイラン革命防衛隊(IRGC)を核心とする国家体制への抵抗勢力へと転じたことを意味する。
トランプは軍事行動も検討しているようだ。イランは崩壊に瀕しているとみていい。
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世界はこれほどの激動にあるとき、我が国はどうか。GHQが1週間で書き上げて日本に押し付けた憲法を後生大事に「平和憲法」と持ち上げてお経のように「平和」を唱えているだけで世界に立ち向かえるのか。
解散総選挙で、高市早苗内閣は単独過半数の233議席(現有190議席台)を確保し高市長期政権に向けての跳躍台となるのではないか。憲法改正、非核三原則、武器輸出5類、皇室継承問題‥を一気に展望が開かれることを期待する。