都知事選は大雪で投票に出かける気も失せ家に居たが、予想通りの結果で、面白くもない。 「脱原発」を旗印にした細川・小泉旋風は最後まで吹かなかった、どころか、共産・民主相乗りの宇都宮健児に3万票離されてまさかの「殿様3位」。
細川氏は「出馬への逡巡があり準備期間が短かったことと、脱原発が争点としてなかなか取り上げられなかったこと」を敗因に挙げたが、当たり前の話で、全国で電気料金が高騰するなかで、しかも原発がない東京で東電の筆頭株主というだけで脱原発を唱えることの愚は、各種世論調査ではっきり「ノー」という結果が出ていた。有権者が重視したのは「景気と雇用」や「少子高齢化や福祉」で、「原発・エネルギー」は3番手だった。テレビを見ていても細川・小泉の両元首相の「老い」が顔の節々に目だって、まだ自分たちの名前が世間受けすると思っている時代錯誤が嫌われたことに気づいていない。二人は晩節を汚して完全に「過去の人」となった。
健闘した宇都宮の敗戦の弁は「投票率が低いのが不利になった」(最終投票率46・14%、過去3番目の低さ)というものだが、分かっていないようだ。投票率がもっと高ければもっと下位につけたはずだ。それより、これで青法協(せいほうきょう)のメンバーであることがはっきりした。実質的に共産党の下部組織に位置づけられる青年法律家協会は名簿を外部に見せないが、こうしたことで次第にはっきりしてくる。
右の写真には「当選確実の報道を受け、事務所で万歳三唱をする舛添要一氏と妻の雅美さん」というキャプションがついているが、今後週刊誌が必ず使うはずだ。「妻の雅美さん」というのは女性関係がわんさとある舛添周辺でなかなか写真を撮らせなかった3番目の夫人で、秘書をしていた女性。離婚話も出ているというなかで夫婦仲のよさを見せるために周囲が引っ張りだしたのだろう。外部に女性が3人、隠し子が2人とか3人と言う話や、母親の介護に精を出したというのが票に結びついたというが、姉などから「うそつき」呼ばわりされている。これからこうしたすねの傷が出てくるだろう。ブログ子は任期を全うできるか疑問視している。
小泉純一郎元首相の次男、進次郎復興政務官は党都連が推薦する舛添要一元厚生労働相について「一番、自民党が苦しい時に『自民党の歴史的使命は終わった』と言って出て行った方。応援する大義はない。応援する方もする方だが、受ける方もどうかしている」と名セリフ吐いたが正論だ。
田母神俊雄の60万票はまあこんなところだろう。石原慎太郎前都知事推薦というお墨付きが効いたものだが、いつの時代も「軍人」は嫌われるもの。おやっと思ったのは、「若い世代ほど田母神支持率が高い」という出口調査(朝日)だ。舛添36%、田母神24%、宇都宮19%、細川11%の順で、60、70代では6%ほどになっている。予想と逆の数字が出ているのだ。
万年ホーマツ扱いだったドクター・中松センセイが今回は、上位4人に混じってNHK、民放の討論会に呼ばれたのも画期的だった。裏を返せば細川陣営が日本記者クラブでの共同記者会見など恒例の主要候補そろい踏みをボイコットして、ネット討論会などに顔をだす戦術をとったためだ。困ったテレビ局がドクター・中松を主要候補者の中に入れたのだが、毎回「俺をホーマツ扱いしやがって」という苦情がホーマツ候補から出ていることへの配慮とも見える。
長年ホーマツ諸氏を観察していて、ブログに比較を掲載したこともあるのだが今回は見送った。なにせ16人立候補中「ホーマツ」12人という数に恐れをなし、テレビ放送に付き合えなかった。
その中で インターネット中心の選挙活動で若年層への浸透を図ったIT会社役員、家入一真氏(35)の健闘に時代の一こまを見た。長年立候補しているドクター・中松の6万4000票を抜いて、初選挙で堂々の8万9000票である。
街頭演説は2度だけ。ツイッターなどを通じた有権者とのやり取りに重点を置き、寄せられた3万件以上の意見を公約にまとめ、選挙資金もネットで集めた。帰趨がはっきりした午後8時すぎ、支援者が集まった港区六本木のクラブで「若い世代の声で上の世代をびびらせたかった」と語った。
ブログ子は大人気のツイッターなど一過性でやがてホーマツのごとく消えるだろうと見ているのだが、さて将来どうなるか。