またも「おかしな判決」

東京都立高校の入学式や卒業式の国歌斉唱で起立しなかった筋金入りの元教員22人が定年になった。都教委は平成15年10月、卒業式などで国旗に向かって起立し、国歌斉唱することを義務づけ、従わない教職員は服務上の責任を負うとする通達を出した。

原告らはこれらの職務命令に従わずに戒告などの懲戒処分を受け、再雇用を申請したが不合格となった。

都教委はこんな「左巻き」は再雇用しないことにした。当たり前のことである。

ところが東京地裁(吉田徹裁判長)は25日、再雇用が定年後の生活安定を目的にし、希望者の9割以上が再雇用されていることから、「教員が再雇用を期待するのは合理的な理由がある」と言及。「不起立は不合格にするほどの違反ではない」とした。その上、ご丁寧にも、都に約5374万円(1人当たり約211万~約259万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。

司法記者クラブで会見する原告たちと弁護団

司法記者クラブで会見する原告たちと弁護団

判決後に会見した原告団代表で元教員の泉健二さん(68)らは「都教委の行ったことはひどいものだと認めてもらった」と述べた。一方、都の中井敬三教育長は「判決は大変遺憾なことで、内容を精査して今後の対応を検討する」とコメントした。

先月、福井地裁の樋口英明裁判長が関西電力高浜3、4号機の再稼働差し止めを命じる仮処分を決定。その理由として「原発は100%の安全性、ゼロリスクでなければいけない」とした時にも「おかしな裁判官が国を滅ぼす」と、このブログで書いたばかりである。

地裁というのは時々おかしな判決が出るところではあるが、幸い、上級審で「まとも」に修正されるものである。 同様の再雇用拒否をめぐる訴訟では、1審判決が元教員への賠償を命じたが2審で逆転敗訴。23年に最高裁で敗訴が確定している。

同じような結末を迎えると思うが、それまでは22人とその支援者の「勝った、勝った」の宣伝戦が続く。うんざりである。

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