「新語・流行語大賞」はもういらない

今年話題となった言葉に贈られる「2015新語・流行語大賞」の年間大賞とトップテンが1日、「現代用語の基礎知識」を発行する自由国民社から発表された。年間大賞には、来日中国人が大量に買い物する「爆買い」と打率3割、30本塁打、30盗塁を達成したプロ野球の柳田悠岐選手(ソフトバンク)と山田哲人選手(ヤクルト)の「トリプルスリー」が選ばれた。

「爆買い」はわかるが、「トリプルスリー」ってなんや。ブログ子はスポーツ面をよく読む方だが、発表まで知らなかったし、口にしたのを読み聞きしたこともない。それはまだしも、トップ10には、「アベ政治を許さない」「一億総活躍社会」「SEALDs(シールズ)」といった政治関連の言葉が3語が選ばれた。

発表会には、「アベ政治を許さない」の発案者としてやってきた、作家の澤地久枝さんが「『アベ政治を許さない』(に関する活動)を毎月3日にやる。皆さんも参加を」と発言。ちゃっかり政治的アピールに余念がなかったという。

こうした選考ぶりにネット上では「政治的に偏りがある」など否定的な声が上がっており、大賞事務局にも「政治関連が多い」などの意見が多く寄せられているという。

恣意的な流行語の選考ばかり

恣意的な流行語の選考ばかり


事務局によると、候補語は同編集部が読者アンケートを参考に約100語を選定。選考委員会メンバーが採点した上で話し合いで50語に絞り込む。メンバーは委員長でジャーナリストの鳥越俊太郎氏に加え、委員で東京大学名誉教授の姜尚中氏、歌人の俵万智氏、女優の室井滋氏、漫画家のやくみつる氏、クリエーティブ・ディレクターの箭内道彦氏、主催する自由国民社の清水均編集長の7人。「左」で定評ある人物がぞろぞろ。

選考委員長を務めるジャーナリストの鳥越俊太郎氏は選評文で「今年は自民・公明が支える安倍政権が衆・参両院で安保法制を強行採決した結果、国民の反対運度(原文のママ)も広がり、政治関連の言葉がどうしても多数となった」といけしゃあしゃあと述べているが、委員長権限での「自家自讃」がみえみえだ。

なお、昨年の同賞でも、年間大賞に「集団的自衛権」と「ダメよ~ダメダメ」が選ばれ、鳥越氏は選評で「アベノミクスに始まり、集団的自衛権の閣議決定とどれをとっても国民の過半数が反対している。なのに安倍政権は? ん~ダメよ~ダメダメ」などと選考にかこつけて政権批判に余念がなかった。

もともと新聞・テレビとも年末になると、その年を総括する言葉をまとめる企画が恒例であった。拾いだすのにブログ子も苦労したものだ。そこを一雑誌社が「代弁」してくれるとあって、新聞社はもちろん「壇上で一度に『絵』にしてくれる」とテレビ局全局も便乗して、マスコミ全部の企画のような恒例行事になったものだ。

でも、こんな意図的に作られる「流行語大賞」などもういらない。

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