「週刊誌にこう書いてあるがどうだ」という質問はもう止めろ

21日発売の「週刊文春」(1月28日号)に、甘利経済再生相(神奈川13区)や秘書が、土地トラブルの補償を巡る口利きの見返りとして建設会社側から違法献金を受けたとの記事が掲載されることがわかった。

記事は、都市再生機構(UR)とトラブルになった千葉県白井市の建設会社の総務担当者が2013年5月、甘利氏の公設秘書にURへの口利きを依頼し、同年8月に謝礼の現金500万円を渡したと記述。このほか、大臣室で甘利氏本人に50万円入り封筒を手渡すなど、甘利氏側への資金提供や接待は計1200万円分に上ったとしている。

関係者によると、総務担当者は同年8月、「受け取ってほしい」と事務所に1000万円を持参。公設秘書が500万円だけ受け取り、甘利氏側と元秘書の神奈川県議への各100万円の献金として処理し、残り300万円は返金したという。

総務担当者は文春に実名で証言。20日、同誌編集部を通じて「記事内容を裏付けるメモや録音データがある。内容はすべて真実だ」とコメント。一方、UR広報室は「甘利事務所からの口利きなどはなかったと認識している」と話している。
 政治資金収支報告書によると、甘利氏が代表の自民党支部は、この建設会社から13年に107万円、14年に169万円の寄付を受け、資金管理団体「甘山かんざん会」は総務担当者個人から13~14年に計18万円の寄付を受けている。

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頭が痛い甘利氏

頭が痛い甘利氏


甘利氏は報道について「お騒がせしている。今朝、記事を読んだ」と答弁。会社関係者から平成25年11月に大臣室で、26年2月に神奈川県大和市の地元事務所でそれぞれ50万円を受け取ったとする報道には、「会社の社長一行が大臣室を表敬したのは事実だ。記憶があいまいなところがあるので、きちんと整理をして説明したい」などと、いずれも面会は認めたが、現金受け取りは明確には否定しなかった。

報道内容は多分本当であろう。そこで今後の対策だが、甘利大臣はTPP交渉をアメリカ相手に怒鳴りまくるようにしてまとめた功績者である。本来ならこれをステップに総裁選まで狙える立場にあったが、難しくなった。国政の要職にあるものが地方の建設会社に口利きをしたというケースであるが、職務権限とのからみでいうとこれを証明するのはかなり難しい。中央突破ができるかもしれないが倫理的に攻められると問題は別だ。安倍首相は更迭も含めて考えずばなるまい。

それはそれとして、質問に立った民主党の安井美沙子氏の攻め口がまたも「週刊誌にこう書いてあるがどうだ」の一本槍でげんなりした。先日指弾したばかりだが、民主党の緒方林太郎議員のあほらし質問とまったく同じである。拉致被害者の蓮池薫さんの兄で家族会元事務局長の蓮池透さんによる著書「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」(講談社)を引用。「本には首相は拉致を使ってのし上がったと書いてあるがどうか」と質問した。

昔の野党は独自の取材網を持っていた。爆弾男の異名をとった社会党の楢崎弥之助という議員がいた。部落解放同盟の取材網を使っていきなりぶつけるので、彼が質問に立つときは与党もマスコミも耳をそばだてたものだ。それに比べると現在の野党、特に民主党の体たらくと来たら「週刊誌に書いてあるがどうだ」式の無責任なものばかりだ。いい加減にしろと叫びたい心境だ。ブログ子はこれで衆参同時選挙の確率がさらに高まったとみる。

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