「国連特別報告者」に勝手なことを言わせるな

国連人権理事会の「表現の自由」を担当する特別報告者が、訪日調査で「政府の圧力で日本のメディアが萎縮している。日本の報道の独立性は深刻な脅威に直面している」とし対策を求め、「放送法4条を無効にし報道規制から手を引くべきだ」として放送法などの改正を求めた。

何を偉そうにほざくか。少しでもまともな指摘ならともかく、日本にいて、メディアの側にいるブログ子でもそんな感触を持ったことがないし、報道の独立性が深刻な脅威に直面しているなど、毛ほども感じたことはない。

デービッド・ケイ氏

デービッド・ケイ氏

この特別報告者は、米カリフォルニア大アーバイン校教授のデービッド・ケイなる人物で、1週間の日程で関係者から情報収集し、19日に日本外国特派員協会で会見して上のような「脅威」ををとくとくと披瀝して帰った、調査結果は来年の人権理事会で報告される、というから、そのころまた蒸し返されるのだろう。

すぐさま、朝日新聞が喜んで反応して、「国連のデービッド・ケイ氏の日本の言論状況への指摘」を羅列してみせている。曰く、

・政府は(政治的公平性などを定めた)放送法第4条を廃止し、メディア規制から手を引くべきだ

・自民党の憲法改正草案21条で公益や公の秩序に言及した部分は国際人権規約と矛盾し、表現の自由と相いれない

・特定秘密保護法は秘密の範囲があいまいで、記者や情報提供者が処罰される恐れがある

・慰安婦問題を報じた元朝日新聞記者の植村隆氏やその娘に対し、殺害予告を含む脅迫が加えられた。当局は脅迫行為をもっと強く非難すべきだ

・沖縄での市民の抗議活動への力の行使を懸念

・記者クラブ制度はフリー記者やネットメディアを阻害

従軍慰安婦問題で「捏造記者」として名をはせた元朝日新聞記者の植村隆氏は自ら起こした裁判で22日、相手取った評論家の櫻井よしこさんからコテンパンに論破されているのだが、そのことは一言も記事にせず、こういうところでちょこちょこと目立たぬように名前を出す手口はあいかわらず汚い。捏造記者・植村隆の会見の模様は後日このブログで紹介する。

全部に反論しているスペースがないから一部にするが、放送法第4条の問題は高市早苗総務相が「偏った報道に対しては、放送法では政府が介入できることになっている」といったのを、朝日以下のメディアが政治の介入と騒いでいるだけの話だ。特定秘密保護法は、安全保障関連の機密漏洩を防ぎ日本と国民の安全を守るのにどこの国でも必要で、特別報告者の母国アメリカでもそうなっている。

デービッド・ケイは教科書から慰安婦問題の記述が削除されたとし「政治的意図を感じた」という。1週間の調査期間に誰と会ったのか知らないが、日韓合意を受けたもので、自国のこどもに間違ったことを教えないのはどこの国でも当たり前のことであろう。

ブキッキオ女史

ブキッキオ女史

この国連特別報告者というのはろくでもないのばかりがやってくる。昨年10月に来たマオド・ド・ブーア・ブキッキオ女史 は「児童の売買、児童買春、児童ポルノ」に関する特別報告者だったが日本記者クラブの会見(従って公式会見)で、「日本では女子学生の3割が援助交際をしている」と発言して仰天させた。これは通訳ミスとされ、後に「13%」に訂正されたが、それでも妙な数字で、11月に外務省は、13%という数値の情報源および根拠を開示すべきだと申し入れた。そうしたらこの女史は「13%という数値を裏付ける公的かつ最近のデータはなく、誤解を招くものであったとの結論に至った。今後この数値を使用するつもりはなく、国連人権理事会に提出する報告書でも言及しない」とようやく撤回した。

クマラスワミ女史

クマラスワミ女史

もっとでたらめなものにクマラスワミ報告書がある。「女性に対する暴力」特別報告者、スリランカ出身の女性法律家、ラディカ・クマラスワミ女史が、朝鮮半島で女性を強制連行したとする、吉田清治の虚偽の証言を引用して、日本軍が行ったとする「蛮行」の様子を仔細に記述し、慰安婦を「性奴隷」と定義し、日本政府に法的責任の受け入れや元慰安婦への補償などを勧告した一件である。

2014年に朝日新聞が「吉田証言」の内容を誤報と認め訂正記事を出したあと1、菅義偉・官房長官が、クマラスワミ報告書の内容の一部を撤回するよう本人に通告したが拒否している。

いずれも1週間かそこらで調査して「立派な」報告書を出すからには、日本側にある意図をもって数字なり調査内容内なりを吹き込むNGOなどの協力者がいると思われる。これらのメディアや団体も問題だが、何をしに来るのか事前に把握しているはずの外務省がもっと厳しく対処するべ

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