巷から拍手喝采の声が聞こえる。ありもしない「従軍慰安婦」をでっちあげ、教科書にまで記載するから若者まで「反日無罪」をいいことに騒ぎ立ててきた。平成27年12月28日の日韓外相会談で結ばれた「慰安婦問題日韓合意」で日本軍の従軍慰安婦問題を最終かつ不可逆的に決着させるという約束も守らぬばかりか、「慰安婦に10億円」も日本からさっさと金だけもらって知らん顔で、北朝鮮の傘下団体とみなされる「挺体協」による釜山の日本領事館前への「慰安婦像設置も地方行政の問題と逃げてきた。
4項目の対抗措置があるが、多くは外交上のメンツは丸つぶれだが実害はあまりない。唯一、ボデーブローのように効いてくると思われるのが、スワップ協議の中断だ。スワップとは各国の中央銀行が互いに協定を結び、自国の通貨危機の際、自国通貨の預入や債券の担保等と引き換えに一定のレートで協定相手国の通貨を融通しあうことを定める協定だ。ウォン暴落のリスクがあるのは韓国で日本には円暴落の懸念はない。実質的には日本銀行によるウォンへの信用保証で、韓国への一方通行である。ウォン暴落のリスクが減れば、資金調達が容易になるので、日本企業の韓国競合企業を日本政府が支援するようなアホらしいものなのだ。
今回のスワップ中断に韓国側通貨当局は「韓日通貨スワップにこだわる理由はない 。今後日本が望むなら協議を再開することができる」と笑わせるコメントを出した。
日韓スワップ協定では過去にも中断の経緯がある。平成24年8月、当時の李明博大統領が、島根県の竹島に上陸し、天皇陛下の謝罪まで要求したため700億ドルまで引き上げていた拡充策を、平成24年10月に取りやめた。朴大統領も、米中首脳らとの会談で日本批判を繰り返す「告げ口外交」で日本国民の感情を逆なでして日韓関係が冷え込み、1昨年2月に満期を迎えた協定の延長議論は出ず、打ち切られた。
それが昨夏、日韓通貨スワップ再開の議論が急浮上した背景には、金融市場の混乱と韓国経済の柱である輸出産業の不振がある。かつて低価格戦略で世界を席巻した韓国製の家電や自動車は人件費高騰によるコスト高が深刻化し、国際競争力を失いつつある。昨年8月末には、韓国最大手、世界7位の海運会社である韓進(ハンジン)海運が経営破綻した。
昨年6月には、英国民投票でEU離脱派が勝利。事前予想を覆す結果に投資家のリスク回避姿勢が強まり、ウォンや人民元などの新興国通貨が軒並み売られた。ウォン安に歯止めが掛からなくなり、物価が急騰する「ハイパーインフレ」を招いてしまう恐れもある。韓国政府は将来の通貨危機を懸念し、8月、日本に協定再開の議論を求めてきたのである。
その時の韓国の報道たるやこうだ。「(韓国)副首相が切り出すと麻生(太郎)財務相はすぐ待っていたかのようにこれを受け入れた」(中央日報)。さらに、「日本も中国の影響力が過度に大きくなるのを牽制するためにも韓国との協力を強化する必要がある」とする大学教授のコメントまでついていた。
通貨スワップが打ち切られた際、東亜日報(同)は社説で「資金力を武器に韓国を手なずけしようとする日本の態度は後味が悪い」「日本に手をさしのべてもらうことが再びないよう、外貨流動性管理に万全を期さなければならない」などと息巻いていた。
一事が万時「反日無罪」なのが韓国である。朴槿恵のあとを決める大統領選がある6月後に日本はスワップを再開する、と韓国側は楽観しているようだがとんでもない。後釜はいずれも反日世論へのポピュリズムばかりで慰安婦問題日韓合意を見直す構えだ。再開などしなくてよい。そればかりかウイーン条約違反を理由に大使館も釜山領事館も閉ざして半分「断交」にすることだ。日本にはなんの痛痒もない。