天皇陛下のお言葉「この国の民度」に思う

 

在位30年記念式典を終え、会場の国立劇場を出られる天皇、皇后両陛下

24日、東京都千代田区の国立劇場で天皇、皇后両陛下をお迎えして開かれた天皇陛下の在位30年を祝う政府の記念式典のテレビ中継を見た。そして、二つのシーンに胸を打たれた。

天皇陛下のお言葉を聞いていてハタと手を打ったくだりがある。全文ご自身で書かれたものであることは選ばれた文章の端々からわかったが中でもこのくだりには、我が国の国柄のあり様を端的に表していた。

全文そう長くもないからネットで読まれるとよいが、これまでの天皇としての務めについて触れた部分である。

天皇としてのこれまでの務めを、人々の助けを得て行うことができたことは幸せなことでした。(中略)私がこれまで果たすべき務めを果たしてこられたのは、その統合の象徴であることに、誇りと喜びを持つことのできるこの国の人々の存在と、過去から今に至る長い年月に、日本人がつくり上げてきた、この国の持つ民度のお陰でした。

日本と周辺の国々とを明確に区別しているのは「民度」の高さであろう。天皇陛下が「民度」という言葉を発せられたのは初めてであろうが、圧倒的迫力を持っている。例えばいまブログ子はじめ多くの人が憤激している隣国の国会議長の発言など、「民度」で測れば憐れむべき出来事にしかならない。李朝時代からこの国は大国に叩頭することしかできなかった「民度」の国である。

もう一つ胸を打たれたのは美智子皇后のいつもながらの目配りである。陛下はお言葉を4枚ほどの紙にまとめられていたが、読み終わった紙片を下の机に置いているうちに順番が狂って、同じ紙を読みはじめられた。すると皇后陛下がそれとなく順番を整えて渡されていた。マイクは「そうか」という天皇陛下の言葉を拾っていた。

何度も書いているがブログ子は美智子皇后の「御歌」が大好きである。民放のアナウンサーが「御製御歌」を「ぎょせいぎょか」と読んでいたが、皇后陛下の歌は「みうた」と読む。この日、沖縄で天皇陛下・作詞、皇后陛下・作曲の歌が流れていたが、両陛下は文学、和歌、音楽、に優れた才能をお持ちである。

次の御代の歌会始にも皇后さまの御歌を拝見したいものだ。

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