6日の観艦式をご覧あれ

11月6日(日)に「令和4年度国際観艦式」が開催される。ブログ子は船酔いしやすい体質で、辛い思い出しかないので普段は大型船も小型船も敬遠している。それがわかっていても過去2回も観艦式に出かけたものである。今回、コロナ禍で無観客での開催だがYouTubeでライブ配信されるというから是非ご覧になることをお勧めする。日本の安全保障について、またいかに海軍力が大切か、認識を新たにすること必定である。

海上自衛隊による観艦式は1957(昭和32)年から毎年開催、1981(昭和56)年からは3年に1度挙行されてきた。そのうち、海外の海軍艦艇が参加するものを「国際観艦式」といい、海上自衛隊創設50周年に伴って平成14(2002)年初挙行された。2019(令和元)年に予定されていた「令和元年度自衛隊観艦式」が台風の影響で中止になったため、今回の「令和4年度国際観艦式」は2015年(平成27)年以来7年ぶりの「観艦式」であり、20年ぶり2度目の「国際観艦式」となる。

下に2015年の観艦式の動画を紹介するが、このときは安倍晋三首相、中谷元防衛相、麻生太郎副総理と役者がそろった。全員、モーニングにシルクハットという正装である。それほど観艦式というのは重みがあるものなのだ。

観艦式は相模湾で行われ、自衛隊最高指揮官である内閣総理大臣を乗せた旗艦を先頭とする観閲部隊と受閲艦艇部隊がすれ違う形で行われる。受閲艦艇部隊にはイージス艦、護衛艦、潜水艦、掃海艦艇、補給艦、輸送艦、ミサイル艇など海自が持つ多くの「兵力」で構成されている。

ブログ子は昔で言えば連合艦隊司令長官にあたる横須賀艦隊司令や(六本木に防衛庁があったころ)防衛部長をしていて「日本の潜水艦隊の父」と言われるK海将と親しかった。日本の防衛力は潜水艦隊に支えられていることを知っているから、潜水、浮上を繰りかえしながら進む潜水艦に特に注目したのだが、今回なら最新型潜水艦「たいげい」だろう。

取材不足で今回相模湾に出動するかどうか確認していないのだが、今後の日本潜水艦隊を背負う戦力なのだ。

深海を航行する潜水艦を探知するには、潜水艦が発する雑音を探知するしかない。かつては「騒音級」と世界で馬鹿にされていたロシアと中国の潜水艦が変貌した。ロシアは原子炉、蒸気タービン、モーター、プロペラに接続する動力伝達などの静粛性を高め、最近オホーツク海に配備されたロシア海軍原潜は、アメリカ原潜ロサンゼルス級よりも静粛だと言われるほどだ。世界のレベルからすると北朝鮮のオンボロ潜水艦など「チンドン屋を乗せた」ようなものである。

中国も以前は他国から潜水艦技術を盗み、そのモノマネばかりだったが、今ではその技術をさらに発展させ自力開発できる力を持った。凄まじい速度で進化し静粛性が高まっている。潜水艦を推進させるスクリューや船体の建造には、多くのデジタル技術が使用されるが、今、中国のデジタル技術は世界最高レベルにある。

こうして静かになった中露潜水艦を発見するには、「たいげい」が積んでいる高感度のソナーが必要なのだ。海中の潜水艦が発する音には、原子炉、蒸気エンジン、スクリューなどの作動音がある。これが海中を伝播してくるが、「たいげい」の最新ソナー「ZQQ-8」高性能ソナーシステムは、艦艇4箇所からの敵艦の探知情報を自動統合化することで、探知能力が凄まじく強力になっている。

また「たいげい」の潜望鏡は、カラー、高感度モノクロ、赤外線の撮像、レーザー測距、ESM装置が備わっていて短時間の浮上で瞬時に判断して潜行に移れる。

このほかリチウムイオン電池が搭載されている。従来の潜水艦は頻繁に浮上してディーゼル機関を回し充電していた。浮上航行中の潜水艦は一番脆弱だ。リチウムイオン電池は鉛蓄電池と比べ蓄える電気容量が数倍多く、充電時間が短い。従来型潜水艦に比べ水中の持続力や速力性能などを大幅に向上した潜水艦なのだ。

観艦式のライブ配信は下記。

「令和4年度 国際観艦式 INTERNATIONAL FLEET REVIEW 2022」 – YouTube

コメントは受け付けていません。