東京都知事選は、現職の小池百合子が約290万票を獲得。2位に125万票あまりの差をつける”圧勝”で3回目の当選を決めた。
投票が締め切られた午後8時にNHKで当選確実が出るいわゆる“ゼロ打ち”での勝利に、蓮舫事務所に詰めかけた支援者から「エ、エッ…」と悲鳴があがった。
①小池百合子 291万8015票(得票率42・77%)
②石丸伸二 165万8363票(24・30%)
③蓮舫 128万3262票(18・81%)
④田母神俊雄 26万7699票
当初小池Vs蓮舫の一騎打ちになるかと思われたが、前安芸高田市長・石丸伸二が急速に支持を拡大し、蓮舫はまさかの「3位」。本人は「すべて私の力不足」と涙をにじませた。力不足と言えばそれまでだが、ブログ子が見るところ、共産党に「抱きつかれ」た挙句「立憲共産党」色が出過ぎたことに尽きる。
涙を流し会場を後にする蓮舫氏
立憲民主党を離党し無所属で出馬したが内実は立憲民主党の全面的なバックアップを受けながらの選挙戦で、これに共産党も、精力的にビラ配りを行ったり、田村智子委員長、志位和夫議長が応援に訪れるなど、支援を惜しまなかったが、これが裏目に出た。
共産党の基礎票はケースによって違うが東京では40万票ほどだろう。蓮舫はこの40万票に目がくらんだ。アンチ共産党票がその2倍、3倍以上あることが見抜けなかった。出口調査で、蓮舫への支持は当の立憲・共産とも支持層の7割にとどまった。無党派層の票の大部分は石丸に流れたのである。
誤算といえば田母神にもある。敗戦後本人が「もう少し票をとれると思ったが・・・」と漏らしていた。「自民党が独自の候補を立てられないので出馬した」と語っていた通り、不人気で「小池推薦」しかできない自民党に不甲斐なさを感じて出たのだろうが、前回60万票をとった数字はその半分にも満たなかった。洋の東西を問わず「軍人」と言うのは選挙に不向きなのである。
ブログ子は今回都知事選に候補者を立てられなかったが、日本保守党が立てていれば、石丸陣営に流れたかなりの票は取れたのではないかと思う。自民党の体たらくを嘆かわしく思う保守系無党派層は相当存在すると思うからだ。
今回も、選挙戦を大きく動かしたのはその「無党派層」だった。投票率が12年ぶりに60%を上回った今回、投票に行った人のうち無党派層は5割近くを占め、“最大勢力”だった。
この無党派層の支持を集めたのが、石丸で当初無名ながら、SNSを駆使した独自の選挙戦を展開。さらに、計200回以上の街頭演説をこなし、一気に知名度を向上させた。ボランティアの登録は5000人を超え、石丸陣営にとっても“想定外”の盛り上がりだった。1週間前の新宿での街頭演説には5000人が集まった。この写真を見て、ブログ子は蓮舫危うし、と見た。今後中央政界に道を開くという論調もあるが、果たしてそうか。石丸は無党派層の4割の支持を得るなどして、約165万票を獲得したが、それは反共産、反小池、反蓮舫、を集めたもので今後、中央政界に通じるかどうか。
無党派層のうち蓮舫を支持した人はわずか2割弱。蓮舫氏が無党派層を取り込めなかったことについて、ある立憲幹部は「無名の石丸氏は評価しようがない。それよりも蓮舫氏への拒否度が高かったとしかいいようがない」と話している。
このブログでも紹介したが櫻井よしこ氏が週刊新潮コラムに書いた「 蓮舫氏を都知事にしてはならない訳 」もダメージを与えたのだろうと思う。
蓮舫氏、立憲民主党、日本共産党の三者について、私たちは幻想を抱くことなく実態を知るべきだ、として、民主党、民進党の時代に蓮舫氏の身近にいて、共に活動したかつての身内である細野豪志氏の蓮舫評を語っていた。
曰く「蓮舫代表、野田佳彦幹事長の下で私は代表代行を務めました。蓮舫さんが民進党の代表選挙に出るとき、支援する条件について、サシで彼女と話しました。➀共産党とは組まない、➁(安倍晋三総理が進めている)安保法制は現実的に進める、➂憲法改正もきちんとやる、の三点です。すると蓮舫さんはスパッと言った。『私は細野さんの考えと同じ』と。正直意外でした。でも本当にスパッと言ったので(信用しました)」
彼女は代表選挙で圧勝した。ところがその後何が起きたか。「私は細野さんの考えと同じ」という言葉とは正反対の路線を彼女は選んだのだ。
蓮舫が「口先だけの女」であることをさらけ出して余りある。彼女の本性をあまねく知らしめた点で秀逸なコラムだった。本性がバレた。これが最大の敗因である。