取材で長く自民党本部に出入りした。派閥が跋扈し現ナマが行き交う現場につくづく愛想が尽きたとき、小泉純一郎が「自民党をぶっつぶす」とワンフレーズで国民の人気をあつめて、本当に自民党を中からぶっ潰した。次の民主党への政権交代では中に巣食って裏から操っていた自民党長老、実力者の類が一斉に姿を消した。しがらみが一切消えた第二次安倍内閣は見違えるようにはつらつとしている。
山崎拓は駅前の事務所も閉鎖したそうで以後消息も聞こえない。加藤紘一はその後の自民党ブームの中でも落選、三女を後継者に仕立てるという。最近断念したようだが山形3区におなじ自民党の佐藤ゆかり参院議員(52)が殴りこみを掛けるなどなめられっぱなし。脱原発で気勢をあげていた小泉純一郎ももとの「変人」扱い。YKKで飛ぶ鳥落とした3人の凋落ぶりをみるにつけ、自民党もすっかり変わってよかったと、往時この3人にインタビューした自民党本部の一室で食べた名物のカレーを思い出していた。ところが18日の産経新聞によると消えたはずの自民党幹部がこのところ共産党機関紙「赤旗」に続々登場して安倍首相批判を展開しているという。記事には、
どういう人選でのことかわからないが野中広務、古賀誠の二人はTBSの日曜日早朝の「時事放談」の常連である。最近はもう見なくなったが、二人とも勝手な歴史認識、靖国分祀論に固執し、日本を中国との戦争へ突き進む安倍自民党政権の危うさを語るのがパターンだった。ブログ子が見た時は、野中は「余生が短い自分としては日本を再び戦争させるような国にだけはさせてはいけないと訴え続ける」と大見得を切っていた。加藤氏は18日付赤旗日曜版の1面で、安倍政権が目指す集団的自衛権の行使容認について「徴兵制まで行き着きかねない」と反対を訴えた。加藤氏は昨年1月にも紙面に登場。慰安婦募集の強制性を認めた河野洋平官房長官談話の見直しを進めようとしていた首相を批判した。
政界引退後も自民党岸田派(宏池会)名誉会長を務める古賀誠氏は昨年6月、憲法改正の手続きを定めた96条改正に意欲を示す首相に対し「絶対にやるべきではない」と主張。昨年11月には野中広務氏が特定秘密保護法案反対を訴えた講演内容が紹介された。
関係者によると、赤旗側は最近、集団的自衛権の行使容認に反対する現職衆院議員の村上誠一郎元行政改革担当相にも取材を打診したが、断られたという。
ハト派と呼ばれた加藤氏らは現職当時から首相と政治理念などで対極にあり、平成24年の第2次安倍政権発足後に赤旗への登場が増えた。志位和夫委員長は15日の記者会見で、加藤、古賀、野中3氏の名を挙げ、行使容認について「保守政治を屋台骨で支えてきた人々がこぞって反対している」と強調。その上で「真面目な保守の方々と協力関係を強めたい」と、連携まで呼びかけた。
元執行部による首相批判は自民党自体のマイナスイメージになりかねないが、現執行部は静観の構え。「しょせん過去の人たち。無視するのが一番だ」(幹部)との声も漏れている。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が17、18両日に実施した合同世論調査で、安倍晋三首相が目指す集団的自衛権の行使容認について「必要最小限度で使えるようにすべきだ」との回答を含め約7割が賛意を示した。朝日新聞の調査では集団的自衛権に反対は63%だそうだ。朝日の調査は自社読者だけが対象だそうだ。どちらを信じるかという「好み」の問題ではないにしてもおかしな世論調査だ。
もう一度表題に戻るが、カビがはえたような名前を見るにつけ、こういう連中が自民党をダメにしてきたんだ、という見本にしか見えない。