刺青は極道がすること

「おっぱいダンス」というのが人気で動画に1000万超のアクセスがあったという。土曜日どこの局か覚えていないが、この「演奏者」であるサラ・X嬢とやらを日本に招いてぴくぴく曲に合わせて胸を動かすところをやっていた。こんな女性がいるのだと驚いたが、ブログ子はその「特技」よりも彼女の胸元から両腕にかけていっぱいに彫られた刺青(いれずみ)の方に気をとられた。

「タトウ」と英語に呼び変えてなにかファッションのように扱っている週刊誌やテレビ局があるが、日本では昔から刺青などは極道のすることと相場が決まっている。「身体髪膚(はっぷ)これを父母に受くあえて毀傷せざるは孝の始めなり」という文化なのだ。テレビに出てきた女性もどこの国かは知らないが、刺青の入れ具合や身体のこなしからみてアダルト界のご出身と見受けたが、テレビ局がいくら能なしでもわざわざ日本に招くほどのことではない。

おりしも12月17日、大阪市が行った入れ墨の調査を拒否して戒告処分などとされた職員が、違法として取り消しなどを求めた訴訟の判決が大阪地裁であった。中垣内健治裁判長は、入れ墨調査について「差別を生む恐れのある 個人情報の収集を禁じた市条例に違反する」として処分を取り消し、110万円の支払いを市に命じた。

ことの発端は橋下徹・大阪市長が「職員が入れ墨をしているという報告が結構ある。採用後に入れ墨をした職員もいる。普通そんな職場はない。税金で飯を食う立場になっているのに狂っている。市民から信頼されない組織になる」として、教職員を除く全職員約3万3500人を対象に5月に入れ墨調査を始めた。その結果、114人が入れ墨があると答え、99人は人目に触れる部分に入れ墨があった。114人の大半は清掃作業やごみ収集を担当する現業職だった。所属は環境局の75人が最多で、うち半数は採用後に入れ墨をしたという。また、市教委も教職員約1万7000人に自己申告を求めた。10人が入れ墨があると申し出て、そのうち2人は人目に触れる可能性があったという。

法律をこね繰りまわす人たちにとってはこういう判決になるのだろうが、ブログ子のような市民にとっては橋下市長の方がまっとうだと思う。中でも教育関係者に刺青モンがいるという方が異常ではないのか。

話は変わるがブログ子は銭湯が好きである。学生時代小樽のはずれの漁港でヨットに乗っていた時、潮まみれの身体を祝津の銭湯に浸した時のゆったり感がいくつになっても忘れられない。今東京にいるが世田谷ではつぎつぎと銭湯が廃業に追い込まれていて近所の2軒がなくなった。先日の冬至のときにゆず湯があるのを知っているので行きたかったが、刺青モンと一緒になるのが嫌でやめた。

番台の横には「いれずみお断り」と書いてあるのだが、どこの湯に行っても経営難で見ぬふりをしているのだろうが大抵、刺青男が長居している。彫ったはいいが倶利伽羅紋々の輪郭だけで中断したようなみすぼらしいのや、肌黒い体質のため青色が沈んでしまっていて単に薄汚れたとしか見えないのもいる。中高年の「昔極道」風なのは肌がしわしわになって見る影もない姿を晒しているのはみるからにうら寂しい。近頃は極道も不景気だから風呂付きのアパートに入れない生活事情もあろうが、必ず一人や二人はいるようになった。

反省したのか足抜けしたのか、消そうとして焼いたのに出会うこともある。もっと早く気付いていたら大金かけて傷跡をさらすこともなかったろうに。そうした人生の黄昏を見るのがブログ子の銭湯離れの原因でもある。要するに「タトウ」だろうがなんだろうが刺青は極道のすることである。どうしてもという志願者には、しわくちゃ年代になって銭湯で老いさらばえた刺青姿を晒すことを考えてから行動することをすすめる。

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