ろくでもないジンバブエ独裁者の誕生祝い

アフリカのろくでもない国、ジンバブエのでたらめぶりはこのブログでも再三書いてきた。1980年のイギリスからの独立時(旧国名ローデシア)から30年以上権勢を振るい、欧米から「独裁者」と非難されているムガベ大統領が91歳の誕生日を迎えそのパーティーの模様が伝えられたのだが、相変わらずのようである。

91歳の独裁者のパーティー。両脇はグレース夫人と娘

91歳の独裁者のパーティー。両脇はグレース夫人(右)と娘

先月28日、世界遺産に登録されているジンバブエ西部の「ビクトリアの滝」近くのゴルフ場で、寄付金で集めたおよそ100万ドルの費用をかけたという豪華セレモニーが開かれ、数千人の支持者が出席、七つの巨大なケーキが飾り付けられ、特別にゾウの肉も振る舞われたという。グレース夫人に付き添われて、91個の風船が空に放たれた。

ロバート・ムガベ大統領は独立以来、中国の手厚い庇護のもと君臨して来たが、昨年6回目の「再選」を果たした。側近を一度に8人粛清したりの強権と、インチキ選挙で。それも選挙資金の大半を中国の香港ダミー企業が請け負っていた。国民からそっぽを向かれ、支持率は数パーセントもない筈な のに、なぜ、多選されるか。理由は簡単で、選挙は毎回不正だからである。 不正選挙、幽霊投票、いつもの投票箱すりかえという出鱈目な選挙だった。

運び込まれたでっかいケーキだと

運び込まれたでっかいケーキだと

この国のインフレ率はかつて史上最悪といわれた2億3000万パーセント!  リヤカー一杯にジンバブエ紙幣を積んでもゴミ箱に捨てられ、コッペパ ンひとつ買えない。ジンバブエで通用する通貨は米ドルである。当然西欧からは非難を浴び、人権侵害や選挙での不正の疑いなどで、渡航禁止や資産凍結の制裁を受けてきた。普通ならとっくに潰れている国なのだが、かろうじて中国の支えで持ちこたえている。今回も香港に登記された「攅石開採公司」から8億ドルの献金を受け(英紙「タイムズ」報道)ての政権維持である。

ムガベ夫妻は香港とシンガポールに豪邸を所有しており、国民が飢えて死にかけても自分たちだけは贅沢三昧。グレース夫人というのが曲者で前夫と別れて、40歳ちかく年齢の違うムガベ大統領と再婚したのだが、内実は大統領が見染めてダンナから取り上げたもの。この前夫はその「功績」で現在、北京駐在ジンバブエ大使である。夫人はコンゴのダイヤモンド鉱山を所有していて、指にはそのでっかいダイアの指輪が輝いている。気が強くてパリやNYで買い物をしている姿を撮影していたパパラッチが追いかけられ、その指輪でバッサリ切られて大怪我をしたこともある。

ものすごいハイパー・インフレだった時代、英国のザ・スタンダード紙の記者が現地のレポートをしたが、「注文したスープが出てきたらすぐに代金を支払う。デザートのプリンを待っている間に(スープの値段は)20%も上がってしまいますから」と書いた。誰も自国通貨を信用しないから米ドル決済だが、2年前に 財政危機はに陥り、「国庫に217ドルしかない」と伝えられた。

お笑い国家なのだがそれでも国家に違いない。東京にも大使館があり外交特権でなにやら怪しげな振る舞い(渋谷で闇賭博場を経営していた某国大使のように)があっても、捨て置かれている国なのである。ジンバブエばかりでなく多くのアフリカ国家が中国の傘下にあることは紛れもない事実である。

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