馬鹿に付ける薬はない

9日モスクワのシェレメチェボ国際空港での鳩山由紀夫元首相

9日モスクワのシェレメチェボ国際空港での鳩山由紀夫元首相

鳩山由紀夫元首相が10日、親ロシア政府「クリミア共和国」のムラドフ副首相に出迎えられ、クリミア入りした。クリミア入りする前、ロシア国営テレビのインタビューに「クリミアの住民自身がロシアへの帰属を望んだことが、日本ではほとんど知られていない」「米国からの非常に強い圧力で、日本はロシアに制裁せざるを得なかった」などと述べた。

日本政府はロシアのクリミア併合を国際法違反として非難しており、鳩山氏に訪問を断念するよう求めていた。岸田文雄外相は10日の記者会見で「ロシアによる一方的なクリミア併合は認められないとする日本政府の立場とは相いれず遺憾だ」と改めて懸念を表明。「訪問中止に向け、働き掛けを続けていきたい」と強調していたが、それを振りきってのクリミア入りである。首相経験者がロシアのビザなど関連法令に基づいてクリミア入りすることで、日本の立場に誤解を与える可能性もある。政府高官は10日夜、「コメントもしたくない」と不快感をあらわにした。(11日新聞各紙)

長年永田町を見ていて、史上最低の宰相は宇野宗佑、2番手は鈴木善幸と思っていた。ともにブログ子が現役で政治原稿を書いていた頃の宰相だった。私はコレ(小指)で辞めましたと揶揄された宇野は神楽坂の芸者に「もし自分の愛人になってくれたらこれだけ出す」と言って自分の指を三本出した(30万という意味)。鈴木善幸はこれまた就任直後から「暗愚の宰相」と揶揄された。ブログ子はある日のトップ記事に「メザシ土光、ゴルフ善幸」と書いた覚えがある。NHKテレビで毎日メザシで質素な朝食をとる第二次臨時行政調査会の土光敏夫会長のドキュメントが放送された時で、ゴルフ三昧の首相と比べたものだ。

しかしルーピー・鳩山由紀夫と比べるとこの二人など物の数ではない。ブログ子は東京・狸穴にあるロシア大使館には用あって何度も入った事があり、広報部長とは銀座で潰れるまで飲んだ。その広報部長もそうだが、秘密警察KGB(カーゲーベー)要員が館員の半分以上いた。ソ連崩壊と同時にロシア連邦保安庁(FSB)に移行したがやっていることは同じで、今回、モスクワに「馬鹿とハサミは使いよう」と鳩山にクリミヤへの招待を働きかけたのだろう。

四面楚歌で国際的に孤立しているロシア外交にとっては「飛んで火にいる夏ならぬ冬の虫」で、案の定上述のようにロシア側の下書き通りの発言を繰り返している。「憲政史上に残る愚者」(産経新聞の批評)は今回のロシアばかりでなく、世界中で愚行を繰り返してきた。

2012年にイランを訪問した際イランの核開発問題についてアフマディネジャド大統領と話し合った。イランのメディアはこの会談で、鳩山が「国際原子力機関がイランなどに二重基準的な対応をとっているのは不公平だ」と語ったと報じた。国内外から批判を浴びると、鳩山は「そのような発言はしていない、イラン側の発表は捏造だ」と否定したがあとの祭り。

中国もルーピーを活用した。2013年、中国訪問中の鳩山が沖縄県・尖閣諸島を巡り、日本政府の「日本固有の領土であり領有問題は存在しない」という立場を無視して「日中間の係争を認めるべきだ」と発言した。中国側から吹き込まれたのをそのまま口にしたのだろうが、普段は物静かな紳士である小野寺五典・防衛相をして「理解できない。『国賊』という言葉が一瞬、頭をよぎった」と言わしめた。

民主党の枝野幸男幹事長は10日、「民主党は一切関知するものではない」との談話を出した。枝野氏はクリミア併合に反対する日本政府の立場を支持した上で、「誤解を与え、ロシアに利用される恐れもあり、軽率とのそしりを免れない」と批判した。同じ日に菅直人元首相は衆院予算委員会分科会で質問に立ち、安倍晋三政権が進める原発輸出政策について「国内で安全が確認されていないのに外国に売り込むことを政府が支援するのは道義的に問題だ」と批判した。民主党は昨年4月、トルコなどへの原発輸出を可能にする原子力協定の国会承認で賛成した。だが、菅元首相は体調不良を理由に衆院本会議を欠席し、当時の大畠章宏幹事長から口頭で注意処分を受けた経緯がある。一方では昨年来、韓国のテレビに出演しては原発の「情報の隠ぺい」、「癒着」、「安全神話」について吹聴しまくっている。

民主党はわずか3年の間にルーピー・鳩山とアカン・直人という二人のお粗末首相を「輩出」した。「民主党は一切関知するものではない」という態度で済まされるのか。腹に据えかねた菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で「首相を経験した政治家としてあまりに軽率で遺憾であり、厳しく非難したい」と述べた。また、自民党の高村正彦副総裁も党本部で、(ロシア査証で)元首相が行くことは、日本の立場について国際社会に誤解をもたらすものだ。民主党が鳩山氏を首相にしたことが、在任中だけでなくいまだに国益を害していることについて、少しは責任を感じてもらいたい」とも語った。

あるブログを見ていたら、先のシリア入り希望のカメラマンに対する旅券返納命令のように鳩山のパスポートを取り上げるべしとあった。カメラマンと一つ違うのは、ルーピー・鳩山にはIS(イスラム国)に行きたいという時には即発行する、とある。ブログ子はこの措置に大賛成である。

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