「背に腹変えられぬ」状況でやっと動く韓国

wor1506210029韓国の尹炳世外相が21日、外相就任後初めて来日し、岸田外相との会談で、「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録への協力で一致し、日韓基本条約の調印50周年を記念する22日の式典へ両首脳が参加、年内に首脳会談を行うことでも合意した。

米国からは日韓の関係改善を求められ、MERSではずさんな対応で1万人を超す隔離者、死者27人、感染者172人(22日現在)という体たらく、大統領の米国訪問も土壇場で延期セざるを得なくなり、観光客は激減、財閥系含めて韓国経済は「氷漬け」、日本からの投資も減少の一途・・・追い詰められてのことである。

素直に外相訪日といえばいいものを、日韓基本条約記念式典参加への「途中」にたまたま外相会談を開いたと言ったり、世界遺産登録は韓国がめざす「百済の歴史地区」の登録と「セット」なら反対しないといったり、メンツをたてることに汲々とする様はいつもながらである。
「明治日本の産業革命遺産」へあくまで反対を続けるなら日韓関係は修復不可能な状況に追い込まれると、双方の識者から指摘されての妥協である。

これで安心かと言えばまだまだである。慰安婦問題に拘泥し続ける姿勢は相変わらずだし、安倍晋三首相が今夏に発表する戦後70年談話に「謝罪」の文言が入るかどうかに神経をとがらせている。今後どう出るか余談を許さないものがある。真に関係修復を願うなら、慰安婦問題の諸悪の根源である、元慰安婦と称する女性や元慰安婦を支援する団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)の幹部などに大統領府や外交省の幹部がせっせと面会して相談することなどしないものだ。

今回、一応韓国側が「折れて」きた形だが、安倍首相の終始一貫した外交のおかげであろう。慰安婦問題では、日本外務省幹部は「基本的な考え方を変えて議論を進めることはない」として、日韓基本条約ですべて解決済みの態度を貫く構えである。戦後70年談話に「謝罪」の文言が入るかどうかで騒ぐのなら、最初からこれまでのような謝罪文言などない全く新しいものを書けばいいではないか。

それにしても外交では右顧左眄することが如何に国を誤らせることになるか、村山富市、河野洋平、鳩山由紀夫、菅直人、近頃では新安保法制へ批判を強めている小泉純一郎、亀井静香、山崎拓、加藤紘一、野中広務・・・の面々はとくと肝に命じることである。

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