テレビの国会中継をつけたら民主党の民主党の岡田克也代表がぐだぐだと喋り始めたのでチャネルを変えた。TBSは新国立競技場問題だった。この局は現行案に反対で急先鋒のスポーツライター、玉木某などずらっと揃えて「やり直せ」と大音声をあげていた。
2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の総工費が2520億円に膨らんでいるのは確かに問題だ。与党内からも総工費を抑えるため計画の見直しを求める声が噴出している。政府内では価格高騰の基である「キールアーチ」と呼ばれる2本の巨大な鋼鉄製アーチの建設をやめ、建設計画を縮小する案が浮上しているという。最大観客数も現行計画の8万人から6万人程度にすることも検討する。政府関係者が15日明らかにした。与党内からも総工費を抑えるため計画の見直しを求める声が噴出しているという。
コメンテーターの政治評論家が「安保法制が強行採決で衆議院を通過したことで国民の反対の声が高い目先をそらすため競技場問題に首を突っ込んできた」としたり顔で解説していたが、いくらなんでもそこまで自民党は落ちていないであろう。
さらにチャネルを変えると、デザイン採用を決めた審査委員会で委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏が記者会見を開いていた。
老朽化した国立競技場の改築計画は、国家プロジェクトとしてスタートしました。「1300億円の予算」「神宮外苑の敷地」、オリンピック開催に求められる「80000人の収容規模」、スポーツに加えコンサートなどの文化イベントを可能とする「可動屋根」といった、これまでのオリンピックスタジアムにはない複雑な要求が前提条件としてありました。さらに、2019年ラグビーワールドカップを見据えたタイトなスケジュールが求められました。
審査委員会の下に設けられた10名の建築分野の専門家からなる技術調査委員会で、機能性、環境配慮、構造計画、事業費等について、実現可能性を検証しました。そしてザハ・ハディド氏の斬新なデザインが選ばれました。その時点での基本設計では1625億円で実現可能だとの工事費が提出されました。総工費が2520億円になった経緯は承知していません。
工費を膨らませたのはシンボルとなるキールアーチである。長さ400メートルの巨大な構造で、会場付近の仮設工場での接合が必要など工法も特殊だ。このためアーチを含む屋根部分の工費は950億円にのぼり、総工費を押し上げた。
ブログ子は思う。審査委員会には構造の専門家が加わっていた。建築工学の専門家で力学的な見地から安全性や構造計算をして1625億円だったのだ。それが1000億円近く膨らんだのは、ゼネコンや資材納入業者、労務担当などがどんどん経費を上乗せしたのだろう。ダム工事や堤防、防災工事など国が施工する工事は、親方日の丸で値切る者もいないし食いっぱぐれの心配もないおいしい工事だ。構造の専門家が入っていて1300億円より少し高いが1625億円という額を出したのだから、細かくチェックすればかなり下げられると見る。
テレビではいったん白紙にして設計からやり直せと主張していたが、この難工事は日本でないとできない部分がある。世界に日本の技術力で国威を示す機会でもある。2000億円くらいまで贅肉を落とすこともできるとみる。ブラジル、平昌などよその国のオリンピックは間に合わないと大騒ぎである。ここは日本だからこそできる新国立競技場をきちんと期日までに作り上げ、メーンポールに日の丸を掲げて世界に日本の技術力を見せようではないか。