法でさばけない犯罪がある、とはこのブログでしばしば書いてきた。
22日、埼玉県の深谷市から熊谷市にかけての利根川で81歳と74歳の夫婦が死亡しているのが見つかり、警察は川の中で低体温症で倒れていた47歳の三女が無理心中を図ったとして、殺人と自殺ほう助の疑いで逮捕した。
三女は約10年前から認知症の母親を介護してきた。新聞配達で生計を支えてきた父親は、1カ月前に体調を崩して、仕事を辞め、生活の見込みが立たなくなり、父親が『死にたい』というので軽乗用車ごと3人で川に入った「車が止まったので一緒に歩いて水の中に入った」と話しているという。
新聞では実名で報道されているが、助かった三女のこれからを考えるととても実名を載せることはことはできない。殺人と自殺ほう助という罪名は大罪である。執行猶予が付くことを願うが、もし裁判官が実刑を科したならブログ子はためらいなく「人非人」と呼ぶ。このような「犯罪」を裁ける人間などいない。
それにしてもどうして生活保護の申請をしてくれなかったのだろうか。いつも思うことだが実直で、まじめに人生を送ってきた人ほど他人の世話になりたくないと考える。まだまだ不十分ではあろうが、この人たちの申請を却下する行政がこの世にあるとは思えない。
翻って多くの市町村の窓口にはイージーな生活保護申請が殺到している。生活保護の2013年度の不正受給は4万3230件で、前年度より1321件(約3%)増えて過去最多を更新した。支給日にはパチンコ屋と居酒屋が満員になり、暴力団の不正受給も後をたたない。
人づてに聞いた話だが、認知症に加えて人を罵倒したり蹴ったりするせいでデイケアから断られるほどの人を喜んで迎え入れる施設があり、ここでは費用が一日2万円を超えるという。介護保険で本人負担1割だから家族は手間省きに送り込む。儲かるから介護施設は雨後の筍のようにふえる。一方で、くたくたになりながらも親の世話を続ける人たちがいる。「わかっているが、時に声を荒げたり手を上げてしまう」という人もいる。
家人がいうのだが、「誰の世話にもならず生活がおくれるのはありがたいが、そうした人の介護保険料は割り引いてほしい」厚生労働省にはぜ