今朝のNHKで詳しくルポしていたのでご覧になった方もいるだろうが、JR北海道・石北本線の旧白滝駅が、3月26日のダイヤ改正で廃止される。終戦直後の1947年に開業、70年近く使われてきた無人駅だが、主な利用者は通学に使う女子高生1人だけ。彼女が卒業するのに合わせて、駅がなくなるという。たった一人のために列車を停めてきたJR北海道も、それを全国ニュースで流すNHKも、いかにも日本的でよかった。
旧白滝駅は鉄道ファンから「秘境駅」と呼ばれており、近くには数軒の民家があるだけ。上りは1日3本止まるが、下りは1本だけだった。同駅を利用するのは遠軽高校3年生の原田華奈さん(17)一人だけだ。昭和30年代には駅のホームいっぱいになるほどの住民がいたという。待合室は近くの山から切り出した材木で住民が建てたものがいまだに現役だ。
雪かきや掃除に近くの住民夫妻が、華奈さんの送り迎えは軽トラで父親が、それぞれ協力してきた。「多くの人たちのおかげで通学できた」という感謝のコメントも清々しかった。卒業後は自宅を離れて看護学校に通い看護師を目指すそうだ。
ブログ子は学生時代2,3度ここを通って美幌や網走に行ったことがあり、美幌峠を越えるのに便乗したトラックの荷台で低体温症と凍傷で動けなくなり、見知らぬ人の家でストーブをがんがん焚いて看護してもらった覚えがある。人間一人では生きていけないことを教えられた土地だ。
隣の駅も廃止され合わせて石北線の57.0kmの間に1駅だけという状態となる。都会で塾だ予備校だと通えるところと違い勉学だけに相当の力がいることなどなかなか理解されないだろうが、かえってたくましい人間が育つものだ。
この秘境駅と女子高生の話は中韓両国でも紹介されていて、両国のネットユーザーから称賛の声が書き込まれているという。
韓国では「女の子1人のための配慮が感動的」「本当に温かい話だ。ほほえましい」「韓国だったらすぐに閉鎖されている」「子どもを産めと口先だけで言いながら、島しょ地域の廃校を推進中のヘル朝鮮(韓国をやゆした言葉)とは全く違う」「これが日本と韓国の違い」などの書き込みが相次いだ。
中国でも話題となり、「人情味があるな」「愛があふれてる」「確かに日本のこういう血の通った公益事業は素晴らしい。日本人の精神は学ぶべき」「中国ではあり得ない。口だけでは国民の信用は得られない」「これが本当の意味での人民への奉仕」「歴史と政治を除けば、日本に対しては好感が満ち満ちている」などのコメントが寄せられている。