関西電力高浜原発3、4号機について、大津地裁は9日、安全性が確保されているとはいえないとして運転差し止めを命じる仮処分決定を出し、同原発は10日止まった。原告団も予想外だったと見えて一瞬ポカンとしたようだが、「いのちとびわこを守る画期的判決!」と驚喜したようだがアホらしい判決である。

ほとんど30キロ圏外の滋賀県からの訴え
それよりも奇異なのは、「独立した原子力規制委員会が専門的見地から十分に時間をかけ、世界最高水準といわれる新規制基準に適合すると判断した」(菅官房長官)ものに、シロウトの裁判官が「100%の絶対安全」か、「最新の科学技術に照らした厳格な管理か」で判断が180度違う判決を次々と繰り出していることである。裁判所の見方次第で結論が二分しており、原発のリスクよりも先に“司法リスク”が先に立っている。裁判所の信頼性まで揺るがしているのである。
おかしな裁判官は全国で時々いるものだ。原発判決に限っても、同じ高浜3、4号機の運転差し止めを命じた昨年4月の福井地裁(樋口英明裁判長)の仮処分決定がある。原子力規制委員会による新基準を「緩やかに過ぎる」と指弾。災害を引き起こす恐れが万が一にもない、すなわちゼロリスクを保証するような内容ではないとして「合理性を欠く」と切り捨てた。
この判決に対しては、関電の異議申し立てを受けた昨年12月の同じ福井地裁(林潤裁判長)決定が「何らかの程度の事故発生の危険は常に存在し、絶対的安全性を要求することは相当ではない」と判示した。ゼロリスクではなく、その危険性が「社会通念上無視できる程度にまで管理されている」かどうかを俎上に載せるべきであり、その観点から「世界一厳しい」とされる新基準に不合理な点はないと結論づけた。当たり前の判断であろう。
大津地裁(山本善彦裁判長)の今回の決定も最初に「NO」を突きつけた福井地裁・樋口英明裁判長と基本的な考え方は同じだ。高浜原発の耐震性能をめぐって関電は周辺活断層のリスクを高めに想定して基準地震動(想定される最大の揺れ)を策定したが、それすら大津地裁は「海底を含めた徹底的な調査が行われていない」といちゃもんをつけた。関電の調査が現時点の科学技術でできる「最大限」であっても「安全余裕をとったといえるものではない」と述べ、事実上のゼロリスクを求めているのだからあきれる。

まもなくぬか喜びに変わるのであろうが
元裁判官の佐藤歳二弁護士(東京弁護士会)は「大津地裁では技術論にまで踏み込み、自ら考える安全性の基準について立証を求めており、最高裁判例を逸脱している」(産経)と批判しているのを見てもわかる。
判例を無視したおかしな裁判官の跋扈は裁判への信頼性を失わせるばかりである。