あきれた女医を世に出した医大とTV局の責任を問う

診療回数水増しで7千万円以上詐取したとして3月9日、警視庁組織犯罪対策4課に逮捕されたタレントで女医の脇坂英理子容疑者(37)のでたらめぶりには開いた口がふさがらない。組対4課というのはヤクザ専門の捜査機関だが、この女医の犯罪に手を貸していて一緒に逮捕されいた暴力団関係者の捜査過程で女医の犯罪が浮かんだ。

国民の健康保険料などでまかなわれる国民健康保険料約7千万円分は、この女の借金とホスト遊びの豪遊に溶けて消えていって戻らない。高い倫理性を求められるはずの医学部を出て、やさしいとはいえ医師国家試験をパスした女医がこんなハチャメチャぶりで大手を振ってまかり通り、テレビ局はこんなキャバ嬢ばりのハデメイクの女医をありがたがってバラエティ番組に出しては、「年収5000万」「ホストクラブで一晩900万豪遊」「男性経験800人」などとホザくに任せていた。

「子宮がうずいたら、やっとけ」と脇坂英理子センセイ

「子宮がうずいたら、やっとけ」と脇坂英理子センセイ

脇坂英理子は自らが経営する美容クリニック「Ricoクリニック」で、患者を何度も診察したように装い、診療報酬を詐取してその金をホストクラブつぎ込んでいた。その経歴をみると立派なものである。小学校から高校まで名門・東洋英和女学院、大学は東京女子医大。父方の先祖は豊臣秀吉の家臣として活躍した武将の脇坂安治で、徳川幕府では脇坂家は何度か老中を努め、明治維新のあとは「子爵」に叙された華族だという。

それがどこで道を外したのか。26歳のとき、「見た目も家柄も性格も良い、周りからみると完璧な」外科医と結婚したが、別居1年を経て31歳で離婚。別居中にホストクラブにハマッって、総額数千万円のカード払いができず、親に泣きついた。離婚後の2012年に、問題の「Ricoクリニック」を開業した。その後もホストクラブ通いは続き借金は膨れ上がった。

そこでテレビに出て売り出すことを図った。女医で容姿がよく、すぐテレビ界に受け入れられた。テレビ業界関係者によると、脇坂英理子は自らを「Ricoにゃん先生」と呼び、深夜番組などに出演。男性経験数百人、ホストクラブで数百万円の豪遊、貯金は限りなくゼロなどの破天荒なキャラで売り出していた。

平成27年に発行された著書「あざといGirl」で、自らの“女性観”を披露し、自身の男性経験についても赤裸々につづっていた。その中で「子宮がうずいたら、やっとけ」と書く。これが医者のいうことかと思うが、「身体検査」もせず、のさばらせたテレビ局の責任も問われるべきだろう。

「ショーン・マクアードル川上」なる人物のでたらめ経歴にコロッと騙され、コメンテーターとして全テレビ局を横断して出演させていたのと同じである。「テンプル大学でBA(学位)、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得。パリ第1大学に留学」などできすぎた経歴なのに、少しも調べた形跡がない。人物を評価する一つが肩書ではあるが、何一つ調べもせずありがたがっていたテレビ局こそお笑い草だ。

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