舛添要一知事らが昨年10~11月、ロンドン・パリを訪れた海外出張費約5千万円が「高額すぎる」などと指摘されて、東京都は23日、この出張にかかった経費の内訳をホームページで公開した。
ロンドン・パリ出張は昨年10月27日から5泊7日の日程で、知事ら20人が参加。ロンドンで開かれたラグビーW杯の決勝を視察し、パリ市長と面会するなどした。知事や職員ら20人の渡航にかかった「旅費」は総額約2623万円で、東京-欧州間の往復航空費(約1500万円)の占める割合が大きかった。知事のみがファーストクラス(約266万円)を利用。特別秘書ら7人がビジネス、その他の職員12人はエコノミーだった。宿泊費はロンドン、パリともに、同行職員を含めて全員が一流ホテルに泊まり、5泊で約922万円を支出。知事はスイートルーム(1泊19万8千円)を使った。このほか知事を含む20人に、計約123万円の日当が支払われていた。
また、現地ガイドや通訳、車のレンタル費などの「賃借料など」に計約2417万円を費やした。内訳は、車両借り上げ費(約623万円)▽現地ガイド雇用費(約532万円)▽知事の講演会の会場代(263万円)-などが大きく、職員がラグビーW杯を視察するためのチケット代(2試合分)にも約127万円を費やしていた。どれもこれも法外な経費だ。
中でも解せないのが通訳に121万7850円、6日間なので、一日当たり20万円以上になる。自分は5か国語しゃべれると自慢していたはずだが、ウソだったのか。
その直前に訪れたソウル出張には、11人で約645万円かかっており、今年度は計5700万円が海外出張に計上されている。
隣の千葉県でも森田健作知事が7月上旬にオランダなど欧州を訪問する予定で、名目は「2020年東京五輪・パラリンピックの事前キャンプ誘致」が目的だ。森田知事が20年大会の事前キャンプ誘致のために欧州を訪問するのは2回目。昨年5~6月、ドイツとオランダを訪問し、五輪関係者に充実した施設や立地の良さなどをアピールしたという。費用の明細は明らかにされていないが、都知事と同じようにかなりの金額であることは間違いない。
はっきりいうが、これは世にいう「慰労出張」である。国会議員、地方議員押しなべて全国でシーズンには徒党を組んで出かけていき、議会への出張報告書を旅行代理店に書かせて問題になっている。都知事の場合、これに役人への慰労出張も加わっているからゾロゾロと20人も随行することになる。前任の石原慎太郎知事の時も高額出張が問題になったが、領土問題で各国へのアピールという大義名分の前にうやむやになった。
2020年の東京オリンピックをダシにしての大名旅行は即刻やめるべきだ。どれもこれも事務局で対応できることばかりで、わざわざ知事が行く必要などさらさらない。