テレビの問題児どもが消えて清々した

テレビは4月の番組改編で「問題児」がごそっといなくなった。ブログ子は腹が立つので長らくスイッチを切っていた「報道ステーション」に12年にわたり番組にしゃしゃり出ていた古舘伊知郎キャスターが、最後の出演でながながと熱弁をふるい、「情熱を持って番組を作れば、多少は番組は偏るんです!」とイタチの最後っ屁よろしくほざいて消えていったそうだ。

古館伊知郎氏

古館伊知郎氏

得意のプロレス中継譲りの言葉の連射で反論する間も与えず早口でまくしたてる口調も煩わしかったが、一番よくないのは安保問題でも政局でも、それまでの経緯や世界とのからみを勉強もせず、朝日新聞の系列局という「色」に合わせて左巻きの受け売り論調を押し付けたことだ。

経済問題でも、「たった1%の世界の富裕層が、世界の富の半分を占めるようになる。行き過ぎじゃないですか、グローバリズムて。所得の再配分をしなきゃいけないって真面目に思うもの」と共産党張りの解説をしてみせ得意になっていた。北朝鮮や中国は富の再配分を狙った国だがその結果はどうなっているか、少しは考えたことあるのかといいたい。

問題はこんなキャスターに巨額の費用をテレ朝が支払っていることだ。「テレ朝は2014年度古館プロジェクトに年間30億円、古館本人の出演料は約12億5000万円。前任の久米宏でも5億円だった」(週刊新潮)と「際立った富の集中」はなんのことはない、当の本人だったのである。

岸井成格氏

岸井成格氏

TBS「NEWS23」の岸井成格アンカーも消えた。斜陽の毎日新聞であちこち回されて同じ局の「サンデーモーニング」でコメンテーターをしていたころから問題発言が目立った。

「集団的自衛権という言葉が悪い。一緒になって自衛することだと思っている(国民がいる)が、違うんですね。他国(防衛)なんです。撤回か廃案にするべき」といきまいた。「集団的自衛権」は国連憲章にも書かれた世界共通の権利で、彼の理屈は国際法や世界の常識に反する。

最後に問題になったのは昨年9月16日の「NEWS23」で安保法案が大詰めを迎え多段階で「メディアとしても廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」との発言だ。

放送法第4条は、「政治的に公平であること」や「できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」を求めている。視聴者の会は、TBSに「岸井発言がTBSとしての意見、すなわち社見であるのか」などと質問したほど。

ところがこの問題で高市早苗総務大臣が衆議院予算委員会で、放送局が政治的公平を欠く放送を繰り返したと政府・総務省が判断した場合、放送法4条違反を理由に電波停止を命じる可能性に言及したことに野党やメディアが例によって「威圧だ」「放送が委縮する」とのお決まりの批判。田原総一朗氏、鳥越俊太郎氏、岸井成格氏らジャーナリスト有志が2月29日、「私たちは怒っている」「発言は憲法、放送法の精神に反している」とする声明を発表する騒ぎに。

なんのことはない、高市大臣の発言は「放送法4条は単なる倫理規定ではなく、法規範性を持つ」というもので、いわば法律ではそうなっている、といっただけのことである。

それなのに岸井氏は「高市発言にはあきれ果てた。憲法、放送法の精神を知らない中での発言であれば、大臣失格だ。仮に曲解しているのであれば、『言論統制を進めたい』と思われても仕方がない」と騒ぎ立てたのである。

国谷裕子氏

国谷裕子氏

NHKの「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターも降板した。こちらは昨年7月3日にNHKで放送された集団的自衛権を特集した番組で菅義偉官房長官がゲストとして招かれ、番組キャスターや記者からの質問に答えたのだが、国谷裕子キャスターの質問が鋭かったうえ、官房長官の発言をたびたび国谷さんがさえぎって『しかしですね』『本当にそうでしょうか』と畳みかけたのが官邸から「いったいどうなっているんだ」とクレームをつけられたのが原因とされる。

国谷:解釈の変更は日本の国のあり方を変えると言うような事だと思うのですが、国際的な状況が変わったというだけで憲法の解釈を本当に変更してもいいのかという声もありますよね。 

菅官房長官:これはですね、逆に42年間、そのままで本当によかったかどうかですよね。

国谷ー:密接な関係のある他国のために、もし集団的自衛権を行使した場合、第三国を攻撃することになって、第三国から見れば日本からの先制攻撃を受けたということになるかと思うんですね。戦争というのは、自国の論理だけでは説明しきれないし、どんな展開になるかわからないという危険を持ったものですから… 

菅官房長官:いや、こちらから攻撃することはありえないです。 

国谷:しかし集団的自衛権を行使している中で、防護… 

菅官房長官:ですからそこは、最小限度という、3原則という、しっかりした歯止めがありますから、そこは当たらないと思いますよ。

まあ、官房長官よりキャスターのセリフが長いが、どうということがないやり取りでこんなことで官邸がクレームをつけることなど考えられない。NHKが「彼女は一年契約で、長くやっていただいたので、このへんで・・・」という通りだろう。

ブログ子は彼女は多少、才走ったところはあるとは思うが持ち味だろうと思っていた。日本記者クラブ賞を受賞した時も知っているが、控えめな女性だと思う。それより今回、彼女が大阪育ちで帝塚山学院小学部卒、つまりブログ子と同窓ということを初めて知った。

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