軽蔑されたらもうおしまい。舛添都知事の末期報告

弁護士2人を伴っての会見で「粉骨砕身」の続投宣言とは

弁護士2人を伴っての会見で「粉骨砕身」の続投宣言とは

しばらく留守にしていてブログの更新が途絶えていたが、下山して舛添都知事の報告記者会見中継を見た。
弁護士2人に依頼していた調査結果が「違法性がない」から「辞職はしない」というものだから都民は憤激することだろう。政治資金規正法では使い道についてざる法だから、追及しづらいことは最初からわかっていた。まるででたらめで豪勢な国税と都税の使い道が問題視されていたのだから、こんな見え透いた報告で納得する者はいない。

ブログ子は再三再四「日本で一番セコい男」と書いてきた。首の皮一枚で都知事のクビがつながっているのは都議会与党の自民、公明の「参議院選挙と同時という時点で勝てるタマを見つけるのは難しい」ということなかれ主義のせいである。それを見透かしたような今回の報告と続投宣言である。

はっきり言えばもう世論は94%(新聞の世論調査)見放している。そこに今回の人を馬鹿にしたような「なれ合い調査」ではもう憤激の段階である。いくらほざいたところで、「軽蔑」されるまで落ちたのではいくら続投宣言したところで、もはや死に体である。

会見は、調査に当たった弁護士2人を同道してのものだったが、佐々木善三弁護士、同じ事務所の森本哲也弁護士というヤメ検の2人。知事が「第三者による公平な検証」といかにも第三者による検証委員会風を装うが、土台、都知事が自分で探し出してきた弁護士がどれほどの公正さを発揮できるか疑問符がついていた。

果たして、「違法ではないが不適切」の連発。

例えば、14年の木更津市のホテルについて、舛添氏は「以前からの相談相手だった出版会社社長(元新聞記者)を客室に招き、今後について相談した」と説明したが、弁護士は「全体としてみれば家族旅行と理解するほかなく、政治資金を用いたことが適切であったと認めることはできない」とした。

大阪市中央区のレストランや神奈川県湯河原町の別荘近くの中華料理店、東京都世田谷区の自宅近くの天ぷら料理店などでの支出について、「家族での私的な食事であった可能性が強く、政治資金の支出として不適切と判断せざるを得ない」と述べ、政治資金から支出した飲食費のうち、14件の計約33万円分について「是正の必要性がある」と指摘した。
舛添都知事もこれを受けて、調査報告書で「違法ではないが不適切」との指摘を受けた宿泊費と飲食費について、個人資産から慈善団体などへの寄付の形で返金する方針を示した。さらに、購入した美術品は、公私の区別を明確にするため、美術館への寄付、都の病院や福祉施設で活用してもらう意向を示した。公用車利用が問題視された湯河原の別荘については第三者に売却するとした。

いかにも「公正な調査結果」を受けて「適切に処理する」風を装っているが、初めから公私混同と断定されていることで、美術品の寄付や、別荘の売却も恭順に見せかけたポーズにすぎない。自分の腹が対して痛まないで延命を図ることばかりである。

明日の朝刊では都民の反感ぶりが報道されることだろう。だが政治力学的にみると、与党の自民・公明で都議会の過半数を占めている。上にお述べたような姑息な理由で馘にするには腰が引けている。公明党はやや反舛添に舵をきりつつあるようだが、不信任を突きつけるに必要な4分の3には壁が高すぎる。共産党ががんばって百条委員会の設置を言っているが、これも可決するにはハードルが高い。都民のリコール運動が期待されるが140万人以上の署名が必要でかなりの力仕事である。

「軽蔑」されてはもはや都知事になど留まれる訳がないのだが、しがみつくセコイ男を引き吊り落とすにはこんなに面倒な手続きがいる。こんな男を選んだ都民が悪いのだが。

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