銀行にモラルを問うのは「八百屋で魚を買う」が如し

モラルなき三菱UFJ銀行

モラルなき三菱UFJ銀行

ブログ子が尊敬する山本夏彦はいう。
「銀行は国民の敵ですぞと私は何度も言ったが、実はその背後にいる大蔵省が敵なのである。不良銀行をつぶしたらそれが波及して優良までつぶれる、つぶ れたら大衆の預金はふいになる。それを守るために銀行を助けるのだと、大蔵省はこの期に及んでもなお預金者に恩を着せるのである」
また「昔の呼び方で言うとその本性がよくわかる。銀行は高利貸しであり、弁護士は三百代言であり、証券会社は千三つ屋である」

 

銀行界最大手の三菱東京UFJ銀行が国債入札に有利な条件で参加できる特別資格を政府に返上するという。日銀によるマイナス金利政策に「ノー」を突きつけた。

国債入札特別資格を持ったままだと、銀行はすべての入札で発行予定額の4%以上に応札する義務があり、マイナス金利のもとで額面より高い値で国債を買わされる羽目になる。国債の相場がその後下落すれば、大きな損失を受けるリスクがあるので、特別資格が邪魔になった。

銀行は他の業種にはない特権が首相から認められている。製造業などはぎりぎりまで人件費や原材料などコストを切り詰めても、販売価格がどうにもならず、ときには原価割れを覚悟しなければならない。かたや銀行は、低コストの資金を預金者から集め、より高い金利で融資し、利ざやを確実に稼げる。おまけに日銀の当座預金口座に資金を寝かせたままで、銀行員が椅子に座ったままでも、大半は日銀から0・1%の利子が振り込まれる。バブル崩壊後には、総額で十数兆円の公的資金の注入も受けた。

どれもこれも、「国民経済の健全な発展に資する」(銀行法第1条)という銀行の公共性が、国家によって認められているからだ。

国債は金融市場の要である。金融市場が揺らげば、国全体の経済運営に支障をきたす。銀行が国債を購入して市場安定に貢献する。国民から集めた預金を源泉とする資金を政府に供給して、世の中にカネが回るようにするのは、銀行法の趣旨を引用するまでもない、銀行として当然の社会的義務のはずである。(産経・田村秀男記者)

三菱の創業者、岩崎弥太郎は国有企業を払い下げてもらって莫大な利益を得て三菱財閥の基をなした。今あるは国のおかげであるにもかかわらず、利が薄いといって国に立てつく。見下げ果てた企業理念である。

ひところバブルを煽ったのは銀行がサラ金に裏で低利で金を貸したからである。儲かるときには社会正義もあったものではないのが銀行の悪徳商法であった。あまりにリスクをとらない体質に「連帯保証人」を取るのはとうとう禁止されたが、戦後この方、どれだけの人が「連帯保証人」の印を押して破産したことか。悪徳商法を改めるのに70年かかった。この間銀行はリスクを他人に取らせて己は儲けだけ手中にしてきた。

マイナス金利で儲けが出ないと日銀に立てつくのなら今度マイナス金利から脱却したとき、三菱東京UFJ銀行の「特別資格」は永久に剥奪すべきであろう。

コメントは受け付けていません。