日本の工事現場は素晴らしい!

JR博多駅前で8日朝発生した大規模陥没事故は、地表近くまでの埋め戻し作業がほぼ終わり、10日朝から通信ケーブルやガス管などの復旧に向けた作業が始まった。あれだけの大陥没を3日後にほぼ埋め戻した作業の裏では、資材を集め、搬送した業者の奮闘があった。

発生から2日、10日夜にはここまで埋め戻された

発生から2日、10日夜にはここまで埋め戻された

あまりの手際よさにネットでは賛嘆の声が飛び交っている。処理土の生産プラントを持つ建設業「環境施設」(福岡県筑紫野市)など作業に携わった人たちの「プロの心意気」の一端は産経新聞の記事ですこしわかると思うので、下にリンクを貼っておく。

http://www.sankei.com/affairs/news/161110/afr1611100024-n1.html

水の中でも固まる処理土は作り置きができない。生産した片端からミキサー車で運ぶ。フル生産したものを九州全土からかき集めたミキサー車で現場に運び、48時間後には作業用の重機が入るための斜面まで完成させた。電線や、下水管や、ガス管などのライフラインをつなぎ合わせて、14日朝には舗装をもとのように終える予定だという。

ブログ子はこの夏、八ケ岳の山墅の前の水道管取り換え工事と砂を入れ替えて舗装するまで10人ほどの作業員の働きぶりをつぶさに観察して、あまりの手際よさに感動した。彼らをお茶に招いてありあわせの茶菓子で接待して、日本の作業現場のどこが素晴らしいか、アメリカや英仏でで見た作業ぶりと比較してその差をいくつか述べた。

大型の重機が何台か動かすのだが、免許がそれぞれ違う。大抵は一人で何種類も持っていて、あちこち飛び移って操縦している。ダンプの運転手は運転席から下りてこぼれた土砂を掃き集めたり、下に降りて水道管の専門家の手伝いをして切断するパイプの押さえ役をしたりする。大きな側溝を小型クレーンで動かす手伝いもする。要するに、作業現場の人たちは、皆この日やる予定の手順や工程をみな飲み込んでいるのである。だから先回りしてほかの人の作業を手伝うこともできる。

アメリカなどではどうか。職能別の組合ということもあるが、重機の操縦士は「それだけ」しかしないし、ダンプの運転手は土砂が満杯になるまでマンガ本を読んでいる。その日に工事がどこまで進めるのかなど誰も興味を持たない。日本なら作業が遅れれば5時半になってもみな手を休めないが、よその国では時間が来ればさっさと帰る。

日本の工事現場では互いにカバーしあうし、手順も共有していて、目的意識を持っている。そこが素晴らしいのである。日本では当たり前であり、誰も褒めないが、実はここが世界に冠たる日本の工事現場なのである。福岡のような、あれだけの大陥没事故を60時間余りで元に戻すことができる国など世界にはどこにもないのである。

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