米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイが沖縄県名護市沖に不時着し大破し た事故で、沖縄県は17日、今回の事故を「墜落」と位置付けることを決めた。 県の統計資料上、「墜落」に分類して記載する。(時事)
あきれたものである。 何が何でも「事故」を「墜落」と断定して、「オスプレイ=怖い」との反対運動に結び付けたい沖縄県の作為的な操作である。同時に救いがたい軍事音痴ぶりを恥ずかしげもなくさらけ出している。さらに「機体の安全性が確認されるまで飛行中止させよ」と、伊江島にいる、もう一機の基地までの回航(19日)すら認めないという。
米軍は、19日伊江島からの回航を実施するとともに、不時着水は空中給油中に給油ホースに接触したオスプレイのブレードが損傷したことが原因とみられるため、空中給油は運用停止を継続。再教育、手順の確認、地上におけるシミュレーションなどの手順が完了した後に空中給油も再開する方針だ。
この事故、在沖縄米軍トップのニコルソン沖縄地域調整官が14日述べているように「空中給油訓練中のオスプレイのプロペラが給油機の給油ホースに当たり、ホースが切断された。パイロットは米軍普天間飛行場(宜野湾市)に戻ろうとしたが、機体の維持が困難と判断、人家を避けて現場の浅瀬に不時着を試みた」ものの、傾いて岩にプロペラがあたり大破したもので、どうみても「墜落」にはあたらない。
ニコルソン調整官が「パイロットは住宅、住民に被害を与えなかった。感謝されるべきで表彰ものだ」と述べたというので、今度は沖縄県の安慶田(あげだ)光男副知事が「植民地意識丸出しだ」と吠えた。噴飯物の論理で、この副知事こそ被植民地意識の持ち主のようだ。
ブログ子はかねてから安全保障に関わる発言はきちんとした軍事知識と地域のパワーバランスを見た大局的見地を持ってから口にしろと書いてきた。メディアにも当てはまる。
例えば朝日新聞のニュースサイトに掲載(14日23時58分にアップ)された「オスプレイ、空中給油中にプロペラ損傷 『最善の決断』」のイメージ図。
記事は14日23時58分にアップされた。イメージ図は、「プロペラに絡まり切断?」などの注釈が添えられ、左のようなイラストが掲載されている。輸送機のぷらんぷらんした給油ホースをオスプレイのプロペラの狭い間隔をかいくぐってまるで空中軽業師のように差し込むイメージで、これではホースが切断されるのも無理もないと思わせる。 しかし現実のオスプレイへの空中給油は右下の写真のように行われる。空中で揺れ動くホースではなく、双方ともかなり強固な金属製ノズルを互いに差し出して行われる。どちらかが気圧差で高度を上下させたり、双方の大気速度が合わなければ接触する可能性はある。軍隊では「完全に安全」ということは何時でも保障されないのは今回の事故でも明らかで、そのために訓練をするしかない。そうした軍事的常識を顧みない報道はNHKでもそうだ。19日の午前2時のラジオニュース、7時のテレビニュースで執拗に反対派のコメントばかり並べて危険を煽り立てていた。沖縄では「事故現場から700メートルしか離れていない、怖くて寝ておられない」という声。さらにオスプレイが配置されている横田基地近くの反対運動として「こんなのが来るのは許せない」といわせて「飛行に踏み切れば反発強まる」と長時間放送を締めくくっていた。
安全保障の問題にいわれのない情緒的反応をまぜこぜで報道するのはもはや意図的と言わざるを得ない。