写真は今年9月1日の東スポに掲載された、ナゴヤドーム右翼側外野席で、「落合は去れ!」とのボードを掲げる中日ファンの姿である。その落合博満ゼネラルマネジャー(GM)(63)が来年1月末でやっと退任することになった。
この記事で落合がここでも不人気なのを知った。記事ではボードを掲げていたN氏(68=会社経営)は「これは私たちの気持ちを表しているボード。ファンサービスはしなくてもいいという落合GMに辞めてもらうことで、中日が生まれ変わってほしいという私たちなりの“応援”ですよ。このガラガラのナゴヤドームにした責任は誰にあるのか。ファンあってのドラゴンズ。どちらが真剣にドラゴンズのことを考えているかということ」
さらに「私はガキのころから根っからのドラファン。それなのに落合GMになってから心から愛する気持ちが薄れてしまった。谷繁監督をかばうつもりはないが、GMでありながら監督だけに責任を負わせたり、自分はキャンプも見ない。(一軍の)試合も遠征も行かず、ファン感謝デーにも来ない。球団を金儲けの道具にしか見ていないようなやり方は許せない」と憤激するコメントも添えられていた。
ブログ子はあまり野球を見ないが、新聞社でスポーツ紙の編集責任者だった時代がある。異動してすぐ新しく中日担当となった記者が陳情にやってきた。曰く「中日以外の担当にしてほしい。落合監督だけはいやだ」というので初めてその不人気ぶりを知った。その後、自分の野球記念館をつくったが来る人もなく閉館とか、信子夫人が野村克也夫人と並んで「三大悪妻」に挙げられるなどの報道をみて、やってるやってると傍からみていた。
嫌われる理由は唯我独尊、自信過剰、他人を受け入れない性格・・・数えればきりがない。それがこれまで首がつながっていたのはワンマン経営者に取り入る独特のジジ殺しの才覚だという。しかし成績が悪すぎた。14年が4位、15年が5位。そして今季は19年ぶりの最下位。それはドラゴンズファンだけでなく中部電力やトヨタ自動車、東邦ガスなど地元企業の落胆と大きな反発を招いた。
2013年オフ、本社上層部は「落合の野球はおもしろくないという“ファン離れ”が激しくなって、落合監督をクビにした。その彼がGMになっても球団再建が出来るわけがない」と大反対の声をあげた。だが、白井文吾オーナー(中日新聞社代表取締役会長)は、その声を抑え落合氏を「GM」に招いた。
球団内部でも不満が充満していた。本来GMの仕事である新外国人選手の招聘もすべて森ヘッドに任せきりにし、一度も海外へ視察にも行かなかった。確執があったとはいえ谷繁監督へのバックアップも不十分。監督派のコーチは佐伯貴弘守備コーチ(46)ただ一人(監督とともに休養-解任)。森ヘッドをはじめ加藤秀司1軍チーフ打撃兼総合コーチ(68)らそのほとんどをGMの息のかかったコーチで固めた。
そしてドラフトではスカウトたちの意向を無視して選手を指名するなど、編成部からの反発も年々大きくなった。ドラフトに関しては監督時代から、会議当日にスカウトたちの推薦する選手ではなく自分の気に入った選手を指名させた。そのときの口癖が「いいからとれ」。GMになってもその癖は変わらなかったという。
これほど嫌われる野球人というのも珍しい。