天皇陛下の退位を認める特例法が6月9日、自由党を除く与野党の全会一致で可決、成立したことを受け、上は大嘗祭や年号制定から下はカレンダー業界まで世の中一気に動き出した。
宮内庁は現在の赤坂にある東宮御所にお住まいを検討しているようだが、公務から解放されたあと何も喧騒の東京にお住まいいただかなくともよさそうなものだ。そんななか、京都と奈良が「ぜひこちらにいらしていただきたい」と手を挙げた。大賛成である。
まず京都。京都市の門川大作市長は、退位後のお住まいや退位に関連する宮中行事を京都に誘致できるかどうかについて検討を始めたことを明らかにし、府や地元経済界などと協議を始め、早期に具体案をまとめて国に要望する考えだ。
門川市長は「上皇となる天皇陛下には、できるだけ京都に長くお住まいいただくことを念願していた。即位の礼や大嘗祭だいじょうさいについても、具体的にどういう可能性があるのか議論していく」と述べた。 市や京都府などは2013年、東京一極集中の是正などを目的として、京都への皇族の移住や宮中行事の開催などを目指すとした「双京そうきょう構想」をまとめており、これを基に議論を進めるという。
一方奈良は、荒井正吾知事が「陛下の譲位後のお住まいについて、『奈良に離宮を』との構想がある」と明かした。
荒井知事は陛下が平成22年の「平城遷都1300年記念祝典」で奈良を訪れた際、「平城京について、私は父祖の地としての深いゆかりを感じています」と述べられたことに触れ、「譲位のご意向を知ったとき、奈良に来ていただければと思った」と構想の経緯を説明。明治天皇の時代には離宮を奈良に作る構想があったとし「過去の構想の経緯など、資料を検討、調査するよう職員に指示した」と話した。
京都、奈良とも皇室にゆかりの土地で、明治維新で江戸城に移られるまで京都御所にお住まいであった。御所というといつも写真で紹介される紫宸殿は広壮ではあるがとても住まうに適したところとは思われないが、これはいわば「ホール」であって、後背地には御苑や御所に大小の池が配置されていて .お住まいはいくらでもつくることができる場所だ。
京都・奈良とも多くの祭り、行事は皇室とのつながりで成り立っている。150年ぶりに「上皇」という名でお戻りになったら地元は活気づくのは必定だ。東京に住まわれるメリットなど皆無と思うが如何。