南米アルゼンチンの南部沖で今月15日から消息を絶っている同国海軍の潜水艦「サンフアン」(乗組員44人)の安否を気にかけている。ブログ子はことし2月このブログで「潜水艦救難母艦『ちよだ』の進水と佐久間艇長 」を書いた。現在、日本は潜水艦救難では深海救難含めて世界一の技術を持っているが、そのきっかけとなったのがた1910年(明治43年)4月15日発生した第六潜水艇(艇長 佐久間勉 大尉)の悲劇であることを書いた。
日本の裏側アルゼンチンでの事故で、いくら救難に駆け付けたくとも現有の救難艦の船足をもってしては間に合わない。遭難海域にはアメリカ、ブラジル、チリなどの艦艇、英空軍のボイジャー機も捜索活動のため馳せ参じているが名だたる荒海で捜索は困難を極めているようだ。
アルゼンチンはフォークランド紛争で英国と戦い、負けた。その英国や同盟国の米国の手を借りないと潜水艦事故に対応できないということだが、この種の事故では敵味方関係なく助け合うのが国際的な習わしである。ロシア潜水艦の事故では海上自衛隊の潜水艦救難艦が出動した例もある。
【11月23日 AFP】アルゼンチン海軍の潜水艦「サンフアン(ARA San Juan)」が同国沖で消息を絶ってから、22日で丸1週間が経過した。艦内の酸素が尽きたと懸念され、乗組員44人は生存の希望が薄れつつある。同海軍は、最後の通信があった数時間後に現場海域で「異音」が検出されたことを明らかにしたが、爆発によるものなのかは確認していない。
同艦は15日に同国沖の南大西洋を航行中に連絡が途絶えた。当局によると、艦内にはその時点で乗組員が7日間生き延びられる量の酸素があった。しかしその7日間を過ぎた。海軍報道官は「捜索は続いている。どんな種類の通信も検出されていない。手掛かりは全く無い」と語った。
報道官はその後、サンフアンが15日に最後の通信を行ってから約3時間後、その海域から北に48キロの海中で「異音」を検出したと発表した。ただ、爆発だった可能性があるかという質問には「裏づけや検討が必要」と述べるにとどめた。
同艦は15日にバッテリーの問題を報告し、進路を変えて母港のマルデルプラタに向かうと伝えていた。この異音に関し、「異常な、単発の、短く激しい核以外の現象で、爆発と一致する」と述べた。
「バッテリーに深刻な問題があると、水素を発生する可能性がある。水素が一定割合を超えると爆発性を帯びる」という。
サンフアンはドイツ製のディーゼル式で、ドイツ海軍特有の小型のUボート。韓国も6隻所有しているが部品不良やディーゼル不調などでうち5隻が動かないと問題になっているほど。メンテナンスがいい加減ということも考えられるが、もうひとつ安定性にかけるところがある。
いくら優秀な救難艦を持っていても、これまでの潜水艦事故で海底から救助した事例はないだけに軍港に駆け付けた家族が悲嘆にくれる写真を見ると痛ましい。