子供への虐待が後を絶たない。そんな中とうとう子供が110番かける時代になった。
兵庫県警飾磨署は28日、同県姫路市のパート従業員の母親(28)を傷害容疑などで逮捕した。調べによると、27日午後4時ごろ、泣きじゃくった子どもの声で110番通報があった。警察官が住宅に行ったところ、9歳の長男と28歳の母親がいて、長男が「母親に殴られた」などと話したほか、 母親も「言うことを聞かないので怒って殴った」などと認めたという。
調べによると母親は26日午後11時頃、小学3年の長男(9)の頭をスプレー缶のようなもので殴って全治10日のけがをさせたほか、包丁のようなものを突きつけ「ええ加減にせな、刺すぞ」などと脅していたとして、傷害などの疑いで逮捕された。長男の背中や右腕などには十数か所、あざがあり、同署がさらに原因を調べる。
25日未明には、大阪府箕面市の集合住宅で4歳の男児が死亡した。全身にアザがあり、母親の筒井麻衣容疑者(26)と同居の交際相手、松本匠吾容疑者(24)、同容疑者の友人の大倉敏弥容疑者(20)=いずれも無職=の3人が逮捕される事件があった。母親ら3人が逮捕される事件があった。
司法解剖の結果、歩夢ちゃんの死因は腹部の内出血だった。捜査関係者によると、全身に10カ所以上の打撲痕が確認された。現場の部屋は逮捕された3人と歩夢ちゃん、次男(2)の5人暮らし。筒井容疑者と松本容疑者は約1カ月前に交際を始めたばかりだった。松本容疑者が友人の大倉容疑者を引き連れ、転がり込むような形で同居するようになった。
居候の男2人がなぜ虐待を働くようになったのかまだ解明されていないが、2人は24日午後11時から翌25日午前2時ごろまで、自宅で歩夢ちゃんの腹部を殴るなどして殺害したとしている。母親が110番通報したが、その直前に男2人を部屋から逃した。「かばおうと思った」と供述している。その後、両容疑者は現場近くの交番へ出頭した。
どうしてこうした出来損ないの母親が出てくるのか。母性本能がどこか劣化してきたとしか思えない。母親としての子どもを慈しむ部分が欠如してきたのだから、もはや子供が自分で110番するしかなくなったのだ。ひどい時代になったものだ。