憲法改正して終身その地位にとどまることを可能にするなど習近平国家主席は独裁へまっしぐらだ。それを批判する産経新聞は目の敵にされていて、例えば、全国人民代表大会(全人代=国会)が閉幕した20日、北京の人民大会堂で開かれた李克強首相の記者会見に、産経新聞の記者は出席を拒否された。首相記者会見に産経新聞記者の出席が認められなかったのは、昨年3月に続いて2回目。
産経記者がこれをただすと、いつもの毒舌でなる女性報道官、華春瑩が「悔しいのですか。それなら、来年出席できるように努力しなさい」と言い放ったものである。
いつものことで驚かないが、習近平礼賛一色の中国にもこれを面白く思わない人もいるのが漏れ聞こえてきて面白い。
例えば、ネットで注目された右の写真。13日に開かれた全人代記者会見の光景だが、右の女性は米国メディアと称する「全米テレビ」の張慧君記者で、えんえんと習近平礼賛のよいしょ発言を続けるのに、うんざりした表情で軽蔑のまなざしを向ける上海に拠点を置くメディア、「第一財経」の梁相宜記者である。
中国人ネットユーザーが調べた結果、よいしょの発言の張記者は過去、国営中央テレビのアナウンサーや香港有線電視(ケーブルテレビ)のチャンネル総責任者とメインキャスターを務めた人物。オランダに亡命をした中国人活動家が米政府に対して、「全米テレビ」と中国当局の関係を徹底的に調査するよう求める陳情書を出しているほどの、中国政府のダミーテレビ局である。
ま、ことほど左様に習近平体制固めに裏工作が行われているということだ。先の憲法改正は約3000人いる全人代の代表が無記名で投票したが、賛成2958票に対し反対2票、棄権3票で可決された。目下この反対票を投じた5人にはネットで「君子」の称号が与えられて、その身を案じる書き込みが後を絶たない。
こうした独裁国に言いたいことをいう産経が疎まれるのは当然のことで、先の李克強会見排除のほか、昨年12月13日、中国江蘇省南京市の南京大虐殺記念館で行われた追悼式典でも産経新聞は、規定通り中国外務省に取材の申請を行ったが、会場への立ち入りが認められる記者証の発給を拒否されている。
なに、名誉の勲章と思えばよい。ありもしなかった南京大虐殺である。「30万人」と当時の南京人口より多い市民を殺したというプロパガンダは共産党政権が利用しているだけで、そんな式典の中身など見なくたって日本国民はわかっている。
ブログ子も会ったことがあるが、産経新聞には柴田穂氏の優れた報道がある。1980年代初頭、文革の狂気のなか、当局が流すニュースしか認められず、朝日新聞、毎日新聞・・・ことごとく日本メディアが従う中、北京で朝から晩まで、町へ出かけ必死に壁新聞を転記して、毛沢東による一種の革命であることを伝え続けた。そのスクープで日本は真相を知ったが本人はやがて強制退去となった。
産経新聞の「名誉の勲章」を讃える。