4日午後、大相撲の春巡業「大相撲舞鶴場所」のあいさつ中に多々見良三市長(67)が土俵上で倒れた際、応急処置のため土俵に上がった女性2人に対し、行司が「女性は土俵から降りてください」とアナウンスした一件。一刻を争う心臓マッサージに「女人禁制」もなにもあったものではない。日本相撲協会の八角理事長が翌日、救命に関わった女性らに直接感謝の気持ちを伝え、不適切な対応を謝罪する意向を明らかにした。
これで十分な対応だが、なにがなんでも男女同権を掲げる人は納得しないようで、この春巡業が6日、兵庫県宝塚市で開かれた際には、地元の中川智子市長が土俵の上で挨拶したいと言い出して、協会に断わられるや、
「相撲協会の方に聞いていただきたい。私は女性市長ですけど人間です。そし女性であるという理由で、この宝塚市の市長でありながら、土俵の上で挨拶ができない…これは悔しいです、辛いです。国技である相撲の伝統は大事にすべきです。でも今、時代はどんどん変わり、女性の知事、そして女性の市長も増えています。女性の総理大臣も現れるかもしれません。その時に女性は、絶対似土俵の上にのぼってはいけないのでしょうか?来年も宝塚場所があると思います!そのときはこの上から(指で土俵を差して)ご挨拶できるように力を貸してください!」
この女性市長は、わが身に代えても「男女平等」を実現したいらしい。ブログ子は相撲を見に行って男だろうが女だろうが長々と続く地元の名士の挨拶など聞きたくもないから、挨拶自体を失くしてもらいたい方だが、最近政界でもリベラルを自称する野党勢力が、天皇制にまで男女平等を要求する動きには嫌悪感を持つ。
このブログで、大相撲は興行であると何度も書いてきた。「女人禁制」も明治以降に取り入れたくらいで、いわば神事にかこつけた恰好づけだから、さっさと止めても穢れるものではないが、日本には奈良県南部の大峰山、熊野三山、岩手県の遠野三山、最近では世界遺産に登録された沖ノ島、いまだにたくさんの女人禁制とされる場所がある。いわれや理由は諸説あるが、そうした伝統の上で守られてきた日本人の精神構造の基本である。男女平等などの次元ではない。
また現代の男女平等主義者は天皇制にまで男女平等を持ち込もうとしている。女系天皇や女性宮家を認める動きがある。生物学的に言えば、XとY染色体の話で、X染色体は男系にのみ受け継がれていくから「男系」の重みとか伝統とかいうことになるが、女系となるとどこの誰でもいいわけで、早い話ブログ子の娘や孫が天皇でもよいことになる。
野党の動きは男女平等に名を借りて天皇制をあやふやなものにしようという魂胆が見えるのである。今から辻本清美とか福島香織とか山尾志桜里とかがもっともらしいことを声高にしゃべり始めたら、眉に唾をつけて聞くことだ。