潔(いさぎ)よくてよろしい

「まけ」だけのイラスト

いつも見慣れている裁判所前の光景では「不当判決」と垂れ幕を掲げるところだが、これは「まけ(負)」だけ。

一風変わっているが、実にわかりやすくて好感を持った。未練たらしい「陳腐」なスローガンを掲げる弁護士諸氏はぜひ今後これを参考にしてもらいたい。

CMを「陳腐」と言われ、名誉を毀損されたとして、美容外科「高須クリニック」を運営する医療法人が、大西健介議員(希望)や当時所属していた民進党、国などに1千万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求めた訴訟の判決が23日、東京地裁であった。河合芳光裁判長は「発言は名誉毀損といえない」として医療法人側の請求を棄却した。

大西氏は昨年5月の衆院厚生労働委員会で、美容外科の広告規制に触れ「『イエスまるまる』と連呼するだけのCMなど、非常に陳腐なものが多く、患者が医療機関を選ぶ上で有用でない」などと発言した。「イエス、高須クリニック」のCMで知られる高須克弥院長はこれにコチンときて提訴したものの、この日いわば門前払いをくったかたち。

ま、敗訴したわけだが、そのとき、パートナーで漫画家の西原理恵子氏が掲げたのが写真。「まけ」とだけ書いたイラスト。

院長は「(発言で)僕はすごく傷ついた。控訴する。最高裁で闘うのが夢だ」と意気軒高だが、まあそれは個人の自由だから措いておく。

こちらは見慣れた「不当判決」

ブログ子は、いつも敗訴したプロの弁護士連中が掲げる「不当判決」には文句をいいたい。法廷で黒白を争うとき、原告・被告とも法律論を戦わせてた上で、判定を裁判所にゆだねるという約束事で成り立っている。どういう判決であろうとも結果には従わねばならない。不満があれば上級審に控訴、上告することが認められている。

それなのに己の「私見」にすぎない「不当判決」とわめくのは、法曹の世界に生きるものとして見苦しいと思う。

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