中国人のことを「支那人」と公言するのは、週刊新潮の人気コラム「変見自在」で朝日新聞と、支那に鉄拳、いや健筆を振るう我が友人、高山正之氏くらいであろう。ブログ子の父親は自分の研究テーマを「支那哲学」と言っていた。老荘思想のうち荘子が専門だった。英語でも仏語でも チャイナ、シーノと発音は違うが「CHINA」である。日本だけ「中国」なのは戦後、日本の外務省が向こうさんから「シナは蔑称であるから中国と呼べ」という申し入れにへいこらして、次官通達でそう決めた。
ついでに言えば、一時日本の新聞は朝日新聞が主導してわざわざ、「北朝鮮」(朝鮮民主主義人民共和国)とカッコ内に正式国名を書いていた。民主主義も人民も共和も無い国にこれはおかしかろう、と朝鮮総連の抗議もはねつけて、今では北朝鮮ですましている。
話がそれたが、本題は支那の報道官というのはなぜああ口汚いのだろうかということである。
毎度、世界のマスコミ相手に偉そうに振る舞う華春瑩報道官も憎たらしい人物だ。産経新聞から取材証を取り上げたことに「悔しかったら顔を洗って出直してこい」とにべもない。
4月2日の記者会見で、ブルームバーグの記者が米国情報官の証言を引用して中国政府発表の新型コロナ感染者数の真偽について質問したところ、華報道官は何と、この1つの質問に対して10分以上の時間を費やしてまくし立てた。その中で、ペンス米副大統領やポンペオ国務長官の名前を挙げて「恥知らず」「不道徳的」「嘘つきの政治屋」などの罵倒を浴びせた。
支那のような国では「一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」だから、中国国営中央テレビがポンペオ氏が武漢コロナの発生源と言われる武漢ウイルス研究所への立入検査を求めたのに対し「このようなうな不良政治家が大きな不幸をもたらしている」。「冷血」などと名指しで攻撃し、夜のニュースでも「みだりに単独主義を進める横暴な面構えをあらわにした」と吠え、4月30日夜のニュースでも、ポンペオ氏が感染拡大に関する世界保健機関(WHO)の責任に言及したことを取り上げ「政治的な脅迫。政治ウイルスをまき散らしている。感染症の予防や抑え込みには透明人間のように何一つ役に立たない」とののしった。まさに百犬吠ゆである
メス犬吠えればオス犬吠ゆ、なのが、今年2月から外務省報道官となった趙立堅氏である。就任早々、ツイッターで「新型コロナウイルスは米軍によって武漢に持ち込まれた」と放言したうえ、毎回の記者会見でもけんか腰で欧米の政治家やマスコミを罵倒しまくっている。
北京大学卒の中国人ながら中国共産党独裁がいやで日本に帰化した評論家の石平氏によるとこういう吠えまくる人物をネットなどを中心に「戦狼外交」、あるいは「戦狼外交官」というのだそうだ。「戦狼」とは文字通り「戦う狼」という意味である。2015年に放映された戦争ドラマの題名からこの言葉がはやり出し「好戦的な人」の代名詞となった。
最近ではネット民やメディアが「戦狼外交官」という新造語を発明し、中国外交官の「好戦姿勢」を褒めたたえているそうだ。人民日報系の環球時報英語版(電子版)は今月16日、「西側が感じた中国新式“戦狼”外交の挑戦」とする論説を掲載、中国外交官の「戦狼ぶり」を好意的に捉えた上で、上述の趙立堅氏や華春瑩氏の名前を取り上げ、彼らの言動は「西側の不当な批判に対する反撃だ」と弁護た。
さらに論説は、彼ら報道官の姿勢変化の背後にあるのは「西側の相対的衰退と中国の崛起(くっき)」だと分析し、「戦狼式外交」の展開が「中国と西側諸国との間の実力変化の結果である」と論じた。
石平氏によると「こうした論説から中国外交のそもそもの本質がよく理解できるのではないか。彼らにとって力が全て。力さえあれば、どの国に対しても高圧で乱暴な態度を取って良い。そしてこのような考え方は、今の中国そのものではないか」
いやはや、嫌な国が近くにあるものだ。支那だけでなく南北朝鮮、ロシアも含めて。これを日本の地政学的不幸と呼ばずになんと呼ぶ。