未だ院内感染ゼロ、自衛隊中央病院を見倣え

 新型コロナウイルスと最前線で対峙する医療機関は院内感染のリスクと常に隣り合わせだ。220人以上の患者を受け入れ、未だ院内感染を起こしていない自衛隊中央病院(東京都世田谷区)は特筆に値する。今流行の医療従事者への「拍手」で言えば、👏👏👏👏!だ。

これがどれだけすごいことか、他の病院の院内感染を見ればわかる。東京・台東区にある永寿総合病院は、これまでに入院患者や医師ら201人が感染し、このうち入院患者30人が死亡した。

東京都練馬区の「練馬光が丘病院」では、感染者37人以上を出し入院患者2人が死亡。東京の例だけ挙げたが、札幌、大阪、熊本ほか全国で同じように発生、医師も死亡している。

最近になってメディアもこの病院の素晴らしさを記事にし始めたが、自衛隊を認めたくない朝日新聞とそのパシリを務める毎日新聞、ついでに言えば東京新聞も一行の記事も書いていない。

自衛隊中央病院(東京・世田谷区三宿)

一部報道によると、そこで行われていたのは特殊な対策などではなく、スタッフ個々の防護とゾーニング(区域分け)という「基本の徹底」だった。

実をいうとブログ子は30年以上前から自衛隊中央病院の世話になっている。現在は一般の人も受け入れているが、その頃は自衛隊関係者しか使えなかった。昔で言えば連合艦隊司令長官、今は横須賀艦隊司令をつとめた幕僚監部の海将と取材を通じて親しく、紹介してくれた。

外傷性硬膜下血腫で開頭手術を受けたことがある。恥ずかしながら居眠り運転で立木に激突、4駆1台をおしゃかにし同乗していた愛犬がケガをした。その2年後発症した。

手術の朝、麻酔医の説明や看護師のケアがあるかと待ち構えていたら、主治医が自分でキャリアーを押してやってきた。「さあ、今から手術室に行きましょう」という。局部麻酔なので声が聞こえる。コンコンと頭頂部を叩いて痛いですか、と聞くから、「痛い」と答えると、麻酔医に「0・5アップ」などと麻酔医に増量を指示している。

なんだか野戦病院にいるみたいだなあ、と思ったが。それもそのはず、この地は元陸軍病院の跡地で、今も衛生学校が併設されている。男女の「衛生兵」がここで養成されているところである。午前8時半になると国旗掲揚があり、通りかかった者はその場でみな直立して敬礼しているから清々しい規律を感じる。

家内と娘も10数年前からこの病院のファンだ。こちらは防衛庁長官(当時)紹介というので、制服姿の隊員が張り付く。診察室から出ると「次はこちらへ」と最優先で次々と案内され、経験したことがないその優越感に酔っただけだ。

娘が4,5日入院したが一晩で悲鳴を上げた。「怖くて寝られない」という。ここはいつも有事を想定しているから常時たくさんの空きベッドを用意している。6人くらいの病室に患者は1人、ナースステーションまで遠くて、静けさに耐えられなかったそうだ。

オウムがサリン事件を起こした時、真っ先に防護服姿で地下鉄霞が関駅に入り、毒物が「サリンである」と断定したのも自衛隊中央病院の化学班である。

大量にコロナ感染者がいるダイアモンド・プリンセス号の船内に入り、ほとんど全員をここにある低圧装置を備えた感染症対策病室に収容したのもここのコロナ班だし、感染者で未発病の人を2週間都市ホテルに留め置き、昼夜問わず経過観察にあたっているのもここの医官と看護師である。

これだけ黙々と任務を務める人たちなのに、現行憲法では認められない。共産党も立憲民主党も憲法審議にすら応じようとしない。おかしくないか。この国は。

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