ブログの亭主は4ケ月ぶりに八ケ岳から下山した。猛暑に耐えかねての脱出だったが、秋も深まり、山は氷点下が多くなり今度は寒さに耐えかねての脱出である。このブログも夏場に病院通いの途次に書いて以来だからほぼ2ケ月ぶりである。
下りてまず目についたのが千葉県の田舎っぺぶりである。 来年4月の任期満了に伴う千葉県知事選に、自民党千葉県連は前スポーツ庁長官の鈴木大地氏(53)の擁立を目指してきたが、政界やスポーツ界に大きな影響力を持つ東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相の強い反対にあい、断念に追い込まれたという。
「老害」という批判派のマスコミもあるが、なかなかどうして。近頃、歯に衣着せぬ発言で注目を集めている人である。例えばあれだけ安倍批判をしていた朝日新聞が9月の世論調査で、安倍晋三政権の実績を「評価する」との回答が71%にも上ったことをしぶしぶ記事にしたことに、 「朝日は初めて本当のことを書いたんじゃないかな(笑)。安倍さんに対する長い間のご無礼非礼をお詫びしなきゃ」 。
また、安倍首相の8月28日の辞任表明記者会見で、質問した記者のうち1人しか「お疲れさまでした」とねぎらいの言葉をかけず、退場の際に起立しないなど、官邸詰め記者のマナーに対しても、
「記者としてのマナーというより、日本人としての常識が欠けている。好きか嫌いかにかかわらず、相手に敬意を払うのが日本人というものです。最後くらい『自分が読者を代表して総理と話す』という意識を持ってほしかった」と述べたり、である。
テレビ中継を見ていて記者連中の無様なレベルに腹を立てていただけに、よくぞ言ってくれた、と好感を持ったものである。
千葉県知事選に関しては鈴木大地氏を担ぎ出したと聞いたときから、担ぐ方も担ぐ方だが、出る方も出る方だと思っていただけに胸がスッキリした。もっとも、森元首相の反対理由は、すでに出馬の意向を固めている千葉市の熊谷俊人市長(42)との保守分裂選挙になることへの危惧からだそうだが、ウラには、鈴木氏の「後ろ盾」と言われる森氏の腹の内もあるようだ。
このブログでは以前、「口説の徒」知事列伝 というのを書いた。千葉、静岡、愛知・・・太平洋岸ベルト地帯の知事が「口説の徒」と化している。玉が悪いのか、選んだ県民のポピュリズムが悪いのか、ということで、
千葉県内に甚大な被害をもたらした台風15号が上陸した翌日、公用車で芝山町にある自分の別荘に入っていたという、森田健作・千葉県知事。
JR東海が令和9(2027)年に東京・品川-名古屋で先行開業を目指すリニア中央新幹線工事で、全線500キロのうち静岡県を通るのはわずか8・9キロの静岡県なのに、「(工事では)大井川の水を1滴たりともこぼさず、元に戻せ、と無理難題をふっかけているの川勝平太知事。
愛知県で開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で昭和天皇の肖像をバーナーで焼き、慰安婦像とされる少女像や、英霊を冒涜する作品など、とんでもない「芸術」に県費を出した愛知県の大村秀章知事。
この3人をやり玉に挙げた。 その一角の千葉県である。なにか選挙というとタレント候補ばかりに目を向ける悪癖がある。森田健作然り、鈴木大地然り、出馬意向固めた熊谷俊人然りである。
最後の一人をタレント候補と呼ぶのに批判があるかもしれないが、ブログ子から見ると、東京都から出向して赤字の北海道夕張市再建で名を売り、市長となりその勢いで北海道知事に駆け上った鈴木直道知事を下敷きにしているのは間違いない。立派なタレント候補である。
役人にしてみたら市長も知事も「シャッポ」に過ぎない。パフォーマンスを任せておいて役人だけで行政を進められるから、至ってやりやすいので歓迎する。しかし、それでいいのか。以前は、自治省(今の総務省)などからの人材が多く、彼らは行政のプロだから卒のない進め方をしたものだ。
地方の首長がパフォーマンス野郎ばかりになることを大いに憂うる。