毎日、朝日、NHKのフェイクニュースで逆転した大阪都構想

ブログ子はその昔、新聞社の大阪社会部にいたとき、「南廻り」をしていた。住吉区、阿倍野区、西成区など隣の大和川までの7警察を担当するサツ記者である。今回の大阪市を廃止し、4特別区を新設する「大阪都構想」では天王寺区になる区域だが、当時からそれぞれの行政区と大阪市のダブリを目の当たりにしていたから、今回の住民投票では内心、自民党、共産党、立憲民主党などを抑えて維新が勝つだろうと思っていた。

フタを開けてみたらわずか「1万7167票差」で大阪市存続が決まった。この僅差での逆転劇は如何にして起きたか。毎日新聞を筆頭に朝日、NHKという大手マスコミが投票日直前に流したフェイクニュースがその元凶のようである。

「大阪都構想で218億円のコスト増」説を最初に流したのは共産党である。投票日も近くなった10月23日(金)、あるテレビ局での政治討論で、山中智子市議(共産党)が松井一郎大阪市長に対し、「大阪都構想実現で行政コストが218億円増加する試算がある」と質問した。すかさず、松井市長が誰の試算なのかと聞き返したが山中市議は「財政に詳しい人」とはぐらかした。

そして、10月26日(月)の毎日新聞一面で「市4分割 コスト218億円増 大阪市財政局が試算」という記事が出た。「大阪市を四つの自治体に分割した場合」ということで、総務省が規定する「基準財政需要額」ではどうなるかという記事だった。翌日、大阪市財政局長が記者会見し、報道機関の求めに応じた機械的試算だと釈明した。四分割とは四つの「政令市」に分割した場合だとした。

松井市長は、この試算は市長の知らないところで行われ、報道機関に伝えられたとした。このとき、「後追い」したNHKと朝日新聞は、四つの政令市というべきところを四つの「特別区」と報じたために、誤報となり小さく訂正した。 29日になって、大阪市財政局長が再び記者会見し、今回の試算は捏造試算だったと謝罪した。

しかし、はじめに報じた毎日新聞は、「四つの自治体」と報道したことなどから、間違いではないと記事の訂正と謝罪は行わなかった。

日本維新の会の馬場伸幸幹事長が、29日衆院本会議代表質問で毎日新聞の報道を「誤情報」と批判した。毎日新聞報道について、まず、松井市長の知らないところで、財政局長の独断で報道機関に試算が伝えられていて手続き的に大問題だし、この時期にやること自体、信じがたい作為である。

土台、「基準財政需要額」は実際の行政コスとトは無関係のもので、なんの意味もないイメージ操作なのだがこれらのマスコミはあたかも、大阪都構想だと行政がコストアップになるがごとく伝えたのである。

1週間毎に調査をしていたABCテレビ・JX通信社合同調査によると、9月19・20日の時点では、賛成が49.1%に対して反対が35.3%にとどまっていた。その差は実に13.8ポイントあった。しかし、大手マスコミのフェイクニュースが拡散された終盤になるに従って、反対が7ポイント伸び、賛成は3.7ポイント減だった。実に11ポイント近くも差が縮まったのだ。これが「1万7167票差」となった。

大して意味もないインチキ統計で「大阪都構想が実現すると行政コストが218億円増加する」と煽った毎日新聞の罪は実に深い。しかも未だに謝罪も訂正もない。

これまで毎日は朝日と一緒になって「安倍叩き」に熱中してきた。朝日が自社のあらゆるコラムを動員して非難・中傷すれば毎日は見出しだけどぎついが中身のない「アジビラ」まがいの文言で朝日の「パシリ」をつとめてきた。憲法改正で自民党寄りの維新が許せなかったのだろう。メディアとしての矜持がどこにも感じられない新聞と化した。

維新の党はこのフェイクニュースについて、毎日新聞に対して損害賠償請求という法廷闘争に持ち込めば、勝算があると思う。

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