「枝野幸男内閣」主張にはあきれた

 立憲民主党の枝野幸男代表は2日午後の記者会見で、菅義偉内閣の新型コロナウイルス対応を批判し、「一刻も早く退陣していただきたい」と述べた。つづいて、日本と同じ議院内閣制の国では、危機の際に政府が機能しない場合に少数政党が選挙管理内閣(次期選挙までの暫定内閣)を担う例があると説明。「私の下の内閣で当面の危機管理と選挙管理を行わせていただくべきだ」と述べた。

近ごろ、これほどアホらしい言説を聞いたことがない。3月8日のNHK世論調査では、自民党」が35.6%に対し「立憲民主党」はわずか4.5%である。(ちなみに「公明党」が3.2%、「日本維新の会」が2.1%、「共産党」が3.1%、「国民民主党」が0.8%、「社民党」が0.3%)。身の程知らずだがなおも菅内閣不信任決議案を出すとほざいている。

自民党の二階俊博幹事長に「出してきたら直ちに解散だ。不信任案は一緒に政治はできないとの意思表示だ。その覚悟がありますか」と脅されていたが、出してくれたほうが面白い。ブログ子の前後左右を眺めても、友人、知己、記者仲間に至るまでみな、福島原発事故でのカンカラカンの菅直人の愚行とルーピー・鳩山由紀夫がもたらした悲惨な政治を忘れていない。立憲民主党4.5%の支持率どころかそれを遥かに上回る投票結果で答えるであろう。

更に加えれば、立憲民主党が音頭をとった2018年のGW前の「17連休」を忘れてなどいない。朝鮮半島情勢が激変するなか、野党6党の審議拒否という職場放棄はは2018年4月20日からえんえんと17連休。これで年間約2100万円の歳費や、同1200万円の文書通信交通滞在費(文通費)を満額受け取れるのだから、巷では「歳費を返せ」と怒りの声が溢れたが、朝日新聞は、野党の欠席戦術は一切批判せず、審議入りした政府・与党を「数の横暴」となじる不可解な社説を掲載したものだ。

立憲民主党の不都合はまだまだある。相変わらず衆議院憲法審査会の開催に反対し続けていて、どこが「立憲」かと言わしめている。その上上述の如き、「枝野幸男内閣」主張である。不信任決議案を出したいのは国民の方である。

「産経抄」の抄子とは旧知の間柄であるが、何でも反対の野党を論難する拓大海外事情研究所の丹羽文生教授の言葉を紹介していた。

曰く「日本の国会における最大の不幸は、『責任野党』が存在していないことである。立憲民主党は社会党に先祖返りしつつある」と。また厳しい国際情勢の中で、政府の醜聞追及に明け暮れる野党への嘆きの手紙には「どうでもいいことを針小棒大にふくらませ、カネ、タイコで大騒ぎして彼らは何を得たいのでしょう」と。

最後を宮沢賢治の90年以上前の詩『政治家』で結んでいた。「あっちもこっちも ひとさわぎおこして いっぱい呑みたいやつらばかりだ」。
賢治は、そんな政治家らの末路を「ひとりで腐って ひとりで雨に流される」と描くが、どうして、どうして、しぶとく、今も国会の雨どいをつまらせ停滞させている。

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