前回、北朝鮮の潜水艦について触れたばかりだが、今朝のニュースを見たらインドネシアの潜水艦が浮上せず行方不明だという。
【シンガポール=森浩】インドネシア軍は21日、53人が乗った潜水艦が同国バリ島沖で訓練中に行方が分からなくなり、捜索を始めたと明らかにした。
行方不明になったインドネシアの潜水艦
ロイター通信や地元メディアによると、は21日午前4時半ごろ、バリ島の北方約95キロの海域で魚雷発射訓練を行っていたが、連絡が取れなくなったという。潜水艦はドイツ製の「KRIナンガラ402」で、1978年に建造された。インドネシア政府はオーストラリアとシンガポールに支援を求めている。(産経)
ブログ子の知る限りオーストラリア、シンガポールとも潜水艦救難艦は持っていない。この海域近くで持っているのは「ちよだ」など2隻持っている日本だけである。すでに出港準備命令が出ているとは思うが、一刻も早く駆けつけてもらいたい。
海上自衛隊の潜水艦救難艦「ちよだ」
インドネシアも日本が持っている救難艦のことは知っているとは思う。というのも、3年に一度「西太平洋潜水艦救難訓練」が行われていてインドネシもオブザーバーながら参加しているからである。潜水艦事故ではパワーバランスはさて置きまず人道第一主義である。
西太平洋周辺諸国の潜水艦救難能力の向上と各国海軍の信頼関係の構築を目的に実施されている軍事演習で、アメリカ、日本、韓国、オーストラリア、シンガポール、イギリスの6カ国の合意により、2000年に初開催され、当初は隔年で、2004年の第3回以降は3年ごとに開催され、次回は来年での予定だ。
2005.年8月4日、 ロシア海軍小型潜水艇がカムチャッカ半島南部沖の海域で浮上が不能になり、深さ約200メートルの海底で乗組員7人が閉じ込められた。ロシアは救出のため、日本に船舶の派遣を要請し、これを受けて、海上自衛隊では救難艦「ちよだ」など艦艇4隻を派遣した。
結果的には、米英の支援部隊の到着が早く、イギリスの無人潜航艇により、ケーブルを切断することにより、浮上解決し、海上自衛隊の部隊は現場に到着する前に反転帰投したが、その後ロシアから勲章授与など感謝の意思表示が示された。
インドネシア潜水艦が浮上しなくなった現場海域は相当深いという。救助方法は状況により3種類ほどあるが、「ちよだ」には深海救難艇が搭載されているなど対応能力は西太平洋ではトップである。
その後のニュースでは現場海域では油が浮上しているのが確認という。またこの潜水艦は韓国で改修され1ヶ月前に戻ってきたばかり。また鑑の潜水限界深度が250メートルに対し、海域の水深が500メートルであるなど悪い材料が揃っている。それにしても日本のメディアの反応の遅いこと。い出よ軍事記者!