女の「平和・人権」論で国防問題にしゃしゃり出るな

東京都武蔵野市議会は21日、日本人と外国人を区別せずに投票権を認める住民投票条例案を反対多数で否決した。議長を除く25人で採決が行われ、賛成11、反対14。過半数は13で、条例案は廃案となった。態度を明確にしていなかった無所属議員2人が反対に回りかろうじて否決されたが危ういところだった。13日の市議会総務委員会では可決されていたが、本会議で判断が覆った。

ブログ子はかねてから条例案を提案した松下玲子市長の「外国人だからという理由で地域の課題に対して意見を表明する権利を奪う合理的な理由は見つからない」と強引に令和4年度中の施行を目指す姿勢を危うんでいたが、ひとまず良かった。


 条例案では、市内に3か月以上住む18歳以上の市民に投票権があると定め、留学生や技能実習生など在留資格を持つ外国人も含まれる。投票資格者に外国人を含む住民投票条例を持つ自治体は全国に43あるが、永住外国人に限るなどの要件を設ける自治体が多く、日本人と同様に3か月以上在住していれば投票できるとするのは、神奈川県逗子市と大阪府豊中市の2市にとどまる。

外国人と日本人を区別せずに投票権を認めるということは、国益を損なうということがの市長にはわかっていない。住民投票では、自衛隊誘致や原発建設など安全保障政策に直結するテーマが争点になることが多く、主権国家にとって危険な流れにつながる。本国に忠誠を誓う外国人住民に投票権を与えるのは重大な危険を伴う。

「税金を納めているのだから、市内に住む外国人にも投票を認めるべきだ」というのが、賛成派の主張だが、「外国人への投票権付与は、国民主権の侵害リスクを伴う」ものなのである。自治体には公権力の行使を伴う事務も多い。外国人の投票を認めれば、日本人住民の総意には反する結果が出ても、市は従わざるを得ず、住民の権利を侵害する事態も起こり得る。

松下玲子市長は東京都議を経て平成29年に市長に就任し、今年10月の市長選挙で自治労、 日共、立憲民主党、社民党、れいわ新選組、武蔵野・生活者ネットワー ク、緑の党が支持して、自民党、公明党、東京維新の会が推す候補を圧勝 して再選された。武蔵野市は菅直人元首相のお膝元で左派が強い。

彼らは「安全保障上の懸念」という声に「外国人が大挙して押し寄せて、自治体を乗っ取るなんて夢物語だ。地方政治に国防や安全保障に関わることなどない」と主張するが、台湾が目の前でその先の中国から指呼の間にある与那国島、すでに韓国人が大挙して押し寄せていて土地が買われている対馬など「危うい」ところはたくさんある。

外国人参政権が離島などの小さな自治体に広がっていけば、かなりの権限を外国人住民が持つことは現実的にありえる。また 外国人参政権は違憲の疑いが強い。地方政治の投票権であっても結果的に憲法違反につながるのだ。

外国人の政治活動が問題とされた昭和53年のマクリーン事件最高裁判決では、政治的な意思決定などに影響を及ぼす政治的活動を外国人に認めていない。武蔵野市のような条例案が通れば、外国人に対しても市政に参加する権利が認められたことになるから、住民投票のテーマではない市の重要な計画策定や条例の制定改廃についても意思表明の機会を設ける努力が必要となる。最高裁判決の趣旨から考えても、憲法違反の疑いは明らかだ。

「外国人に寄り添う」のもいいだろうが、尖閣に連日押し寄せる中国や、未だにありもしなかった従軍慰安婦・徴用工をわめき続ける韓国の行動を念頭に入れてからにしてもらいたい。

否決されたものの松下市長は、改めて条例案を検討した上で再提出する意向を示しているという。もういい、いいかげんにしろと言いたい。「平和」は念仏のように唱えていれば訪れるものではない。確固とした「軍事力」を持った国だけが自力で手に入れるものである。それが国際社会での力学である。

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