マックはなぜ国産ポテトを使わないのか

マクドナルドが「マックフライポテト」の販売をSサイズのみに限定している。その理由というのが、ポテト材料の主な輸入先である北米とカナダでの大規模な水害と、コロナ禍での世界的な物流網への混乱の影響による輸入遅延が発生しているためという。

ブログ子は孫に付き合って年に三、四度口にする程度なのでどうということはないが、不思議に思ったのは、なぜジャガイモをわざわざ北米産のものを使うのかということだ。

学生時代、といっても半世紀以上前だが北海道で過ごした。夏などテント担いで道内をくまなく旅したが、お世話になったのが日本一おいしいジャガイモだ。道内いたるところにジャガイモ畑があり、どこの農家でも貧乏学生に気前よく分けてくれるので、帯広駅前などで飯盒で塩茹でして命をつないでいた。「男爵」と「メークイン」が主で、どちらもほくほくしている。北海道ではバターを乗せて食べる人が多いが、そちらは「男爵」、型崩れのしない「メークイン」は煮物などの料理に使う。

いま、夏場八ヶ岳にいるが長野県産ジャガイモも出回るのだが、中に紫のスが入ったり、水っぽかったりして今一つなので、北海道産を箱買いする。北の大地で見晴かす限り広大なジャガイモ畑を見てきたから、ジャガイモは100%国産でまかなえているとばかり思っていた。それがマクドナルドは船便ではるばる北米から運び、船便が届かなくなったといって大型輸送機を飛ばしてまで日本に運んでいる。

不思議なことだ。いまや穀物はじめ多くが外国頼みになった。小麦は大昔から米豪頼り、そば粉も長野産では間に合わず、北海道から運んでもまだ足らず中国産が多くなった。食糧安保の点からみても危ういことだ。エゴ丸出しの中国がそば粉を止めたら(大いにありうる)日本中の蕎麦屋が死ぬことだってある。ジャガイモまでその仲間入りするのか。

マクドナルドはアメリカ企業だから日本産のジャガイモを使わないのだろうかとも考えたが、違うという。実際、主力商品のハンバーガーは、主にオーストラリア産の牛肉を使用している。

実は北米産ジャガイモに頼る理由は、現在のジャガイモ品種と製造工程の変更が困難だからなのだという。マックフライポテトに使われているジャガイモは「ラセットバーバンク」という、アメリカで古くから栽培されている品種。特徴は大きいことと、そのままカットするだけで、フライドポテトの「長さ」に丁度良いサイズになる。マックも、日本での栽培を試みたようだが、気候の違いで大きく育たなかった。そのため、輸入せざるを得ない。

次に、法律と製造工程の理由がある。ポテトは、防疫上の理由で、生で日本に輸入することができない。為に現地でカットし素揚げした冷凍加工品を輸入している。その上で、製造工程を構築しているから、日本産を使うとなると、新たに生産ラインを作り直す必要に迫られる。

マックフライポテトの原価率は10%という高利益率商品、いわば「稼ぎ頭」である。完全に販売停止すれば、セット商品の利益が低下してしまう。なので、1か月間、Sサイズに限定販売し、現在の輸入量で凌ごうという作戦のようだ。

ブログ子と同じ「なぜ国産ジャガイモを使わない」という抵抗派は、国産ジャガイモ使用のバーガー店へ。

フレッシュネスバーガーは国産ポテトで顧客奪取を図っている。「フライドポテト増量キャンペーン」で従来の25%増しのポテトを提供している。マクドナルドと逆に「増量」できるのは、国産ジャガイモを使っているからだ。品種は、北海道産の「北海こがね」。特徴は、形状が長細いこと。揚げても変色しないこと。フライドポテトにはうってつけだ。、

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