日本人はなぜロッカールームやスタジアムをきれいにするのか

さむらいブルーはコスタリカに敗れた。ブログ子はドイツ戦で決勝点をあげた浅野拓磨のプレーは奇跡だと思っている。ゴールポストのほとんど真横、蹴り込む角度は鋭角、それも一桁ほどの狭いところから入れたのだから神業以外の何物でもない。だから、あれはなかったものとして、ドイツとは「引き分け」、コスタリカに「1敗」だ。

それはともかく今回も選手たちはロッカールームをきれいにして、9つの折り鶴と「ありがとう」の言葉を残して引き上げただろう。その写真はまだ写真は届いていないものの、サポーターがコスタリカ戦のあとスタンドでせっせとゴミ拾いをしている写真は送られてきた。

日本人のこの行動は海外メディアには不思議でならないようだ。コスタリカ戦の前日、会見した森保 一監督に「なぜ日本代表チームはロッカールームをきれいにし、日本のファンはスタジアムをきれいにするのか」という質問がぶつけられた。それに対する返答が実に当を得ていたので、紹介する。

森保監督は「日本人にとっては当たり前のことかなと思っている」と即答したうえで、さらに続けて「私自身、育成年代のとき、社会人のときにいろいろな方々から教育を受けたが、“帰るときは来たときよりも美しく”というのを教えられてきた。日本の文化として、自分たちが使ったところはきれいにして帰るというのは当たり前で、常識かなと思う」。そう笑顔で答えた。

また 当のコスタリカでも、同国メディア「DIARIO Extra」が在コスタリカ大使館の小松親次郎大使へのンタビュー記事を掲載、その中でやはり「(日本のサポーターは)なぜ試合後にゴミを拾うのか?」と質問をぶつけた。

 小松大使は「日本では歴史的に、すべてを清潔に保ちます」と回答。さらに「小中学校では一日の終わりに、生徒たちが毎日普通に片付けをします。100年くらい前の写真で、お寺の学校の生徒たちが掃除をしているのを見たことがあります。大切な行事の後、私たち日本人は文化的、道徳的な理由から片付けをします。それはサッカーだけでなく、野球やラグビーでも起こり、両チームの選手が最後にフィールドを掃除します。次にご利用いただく方がきれいだと思えるように、清掃をしています」と詳しく説明した。

どちらも日本人を代表して、見事な説明である。ところが国内ではバカと言うか何を考えているのかと思う人間が珍説を披露している。舛添要一・前東京都知事(73)と井川意高・元大王製紙会長(58)である。

舛添発言はこうだ。《日本のサポーターがスタジアムの清掃をして帰るのを世界が評価しているという報道もあるが、一面的だ。身分制社会などでは、分業が徹底しており、観客が掃除まですると、清掃を業にしている人が失業してしまう。文化や社会構成の違いから来る価値観の相違にも注意したい。日本文明だけが世界ではない》

井川発言はこう。《こういうの 気持ち悪いから やめて欲しい ただの自己満足。 世界のこと知らない日本人多いこと 再認識させられた。日本の美徳は海外では 凶暴でさえある。まあ 端的にいってサッカー場のゴミ拾いしたことを褒めてもらって喜ぶくらいしか日本人の自尊心を満たせることがないくらい誇れるもののない貧しい国になったということだ。赤ちゃんが泣いたら文句つけるような国民の美徳? 笑わせるな》

新聞記者の間では都知事になる前から舛添要一という名前を聞くと「あの異常性欲者か」と反応したものだ。当局の内部資料にそう書いてあるのを皆知っていた。舛添の前妻である片山さつきが愛想をつかしたのもそれが理由で、部下や秘書に片端から手を出すことで有名だった。

都知事を棒に振ったのは、千葉県内のホテルへの家族旅行を「会議費」名目で都に支出させたり、湯河原町の別荘への移動に公用車を利用していたことなどの公私混同が明るみにでたことに始まり、舛添の海外出張の1回あたり金額が過去に批判された石原慎太郎よりも高額で、随員も石原は7人に対し舛添は11人、空港の「貴賓室」の借り上げなど、数限りなく暴かれてのことだった。

もう片方の井川意高の名前を有名にしたのはバカラ賭博である。大王製紙創業家の3代目として、42歳で第6代社長になったものの海外カジノでのバカラ賭博にハマって100億円以上という巨額な会社の金を使い込んだ御仁で裁判では執行猶予なしの懲役4年の判決をくらって臭い飯を食ってきた。

二人とも都民と会社、といういわば「公金」をネコババという卑しい行為ゆえに転落した点で共通している。こんな《気持ち悪い》人たちに、日本人の美徳にケチをつけられたくはない、と誰しもが思うところだ。

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