「じゃこ天」騒ぎ 愛媛県知事のいなせなこなしに感心

当用漢字では使えないが本来の漢字「鯔背」と「熟す」と書くとわかるだろうが、愛媛県の中村時広知事の対応にいたく感心した。

 ことの発端は、10月23日、秋田県の佐竹敬久知事が秋田市での会議で愛媛県の特産品「じゃこ天」を「メインディッシュがいいステーキだと思って開けたら、じゃこ天です。貧乏くさい。酒もうまくない」などと四国の食事を酷評したことだ。

ブログ子は関西育ちで愛媛県には何度か足を運んだことがあるが「じゃこ天」なるものは知らなかった。はるか離れた秋田県でじゃこ天を貧乏くさいと貶すほど食べられているわけを知りたいくらいだ。

最近のぎくしゃくした風潮からは、怒髪天を衝く反発があってもおかしくないところだが、愛媛県の中村知事の反応は違った。 「刺激的な発言だったが、悪気があったわけでなく、笑わせようとしたのだろう。報道され、じゃこ天の知名度は格段に上がった。禍福は糾(あざな)える縄のごとし。人間万事塞翁(さいおう)が馬。何がどう変わるか分からない。お互い未来志向で明るくいこう」

中村知事は松山市長時代に、秋田市長だった佐竹知事とともに全国市長会の役員を担ったことがあり、旧知の間柄だったのも幸いした。佐竹知事はその後、4県の知事宛てにおわびの書簡を送ったところ、5県での物産展の開催を提案された。

さっそく11月15日、東京都内で物産展が開かれ、冒頭で佐竹知事は「本当に申し訳ない。四国の方々の寛大な気持ちに恥じ入る」と改めて謝罪。一方、中村知事も「あんまり気にされんでください」といたわるなど和気藹藹(写真上)。会場では5県の特産品セットが50個用意され、イベント開始前に完売。知事らが購入者に手渡した。秋田県出身という40代の女性は「高知のユズポン酢しょうゆが好きなので買いに来た。四国の知事の心が広くて助かった」と話していたという。

このブログでも再三書いてきたがろくでもない知事が多い。訳が分からないリニア反対で「掘って出てくる水を一滴残らず川に戻せ」の川勝平太静岡県知事。慰安婦像の展示や昭和天皇の肖像を燃やすシーンがある映像作品などに支援を惜しまない大村秀章愛知県知事。直近では東京五輪招致のためIOC委員に官房機密費から1冊20万円でアルバム作った」とぺらぺらしゃべった馳浩石川県知事。さらに言えば辺野古埋め立てに盾ついて中国まで挨拶に行った玉城 デニー沖縄県知事。枚挙にいとまがない。

知事というのは昔で言えば「殿様」である。殿様はその土地土地に密着していたから領地の安泰第一でめったなことでは暴走しないものだが、戦後は「よそ者」ばかりで、己が意固地に邁進するせいだろう。愛媛県知事のような鯔背な男が増えることを切望する。

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