バカ正直すぎる日本の調査捕鯨

PK20140419021政府は18日、日本が北西太平洋で行う調査捕鯨を、クジラの捕獲頭数を4割以上減らした上で2014年度も継続すると発表した。

国際司法裁判所が3月に国際捕鯨取締条約違反と判断し、14年度は実施を断念した南極海の調査捕鯨は、今年秋までに新たな計画を策定、15年度の再開を目指す方針も決めた。

ハーグの判決ショックからようやく立ち直りつつあるようなニュースである。日本はいいか悪いか、遵法精神に富んだ国で、国際司法裁判所というからには公明正大な判決が下されると盲信しているきらいがある。日本は一人判事枠を持っていて、現在は皇太子妃雅子さんの父、小和田恆氏である。当事国というので今回は外されたので日本の弁護にあたることはできなかった。しかし判事15人中10人が反捕鯨国というのでは勝負はハナから決まっていた。

ブログ子は小和田氏の前任で24年間も判事だった小田滋氏とオランダでゴルフをしたことがある。マーストリヒトのイタリア料理店 での打ち上げで隣だったので少し話をした。判事はそれぞれの国の国益を代表している部分があり純然と法律論だけ戦わしている わけでもないとか国際司法裁判所に来るまでにいくつものハードル(当事国双方の同意など)があり審理件数は少ないことなど だった。最後はヒマでいくらでもゴルフに時間を割けるという笑い話で終わった。

勝訴したとはいえオーストラリアのアボット首相の談話は苦衷がにじみ出ていた。提訴した時は反日で凝り固まった労働党のラッド首相の時である。シーシェパードにオーストラリア国旗を掲げることを許し、高速艇で調査船の周りを走り回って火炎瓶を投げつけるのを黙認していた。

そのころブログ子の山墅に駐日オーストラリア大使館の公使たちがやってきて2、3日寝泊まりしていった。経済担当でオージーワインを何本もふるまってくれたので、どうしてそんなにシーシェパードの肩を持つのか聞いた。ラッド首相も外務大臣も閣僚のほとんどは反捕鯨派でいずれも対日強硬派だと言って首をすくめてみせた。

ところが昨年9月8日オーストラリアで6年ぶりの政権交代が起こった。労働党が大敗し、自由党を中心とする保守連合が政権奪還した。与党の自由党アボット首相は、第二の貿易相手国である日本との経済関係を大事にする政策をとっている。勝訴と聞いても「捕鯨問題は私自身大変憂慮しているが、日本もこの件については我々の立場をよく理解していると思う。豪日関係はとてつもなく重大だ」と述べ、捕鯨問題でこれ以上、日本を追及しない姿勢を強調した。喜び勇んだコメントではなかったのはこうした事情からだ。

北西太平洋で獲れたニタリクジラ

北西太平洋で獲れたニタリクジラ

ところで隣の韓国である。同じくくじらを食べる食文化を持つがこの問題には口を閉ざして知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいる。そしてKBSのニュースサイトによると、韓国領海内でクジラの数が激増しているとかで、韓国の沿岸で、“偶然に網にかかって”捕獲されたクジラは合わせて年間で2350頭、1日平均6・4頭に上っているという。これは日本の調査捕鯨で捕獲されるクジラのおよそ2倍以上の数字だ。

管理対象の13種類の大型鯨類についてはノルウェー、アイスランドのほか「原住民生存捕鯨枠」によるアメリカ・ロシア・デンマーク(グリーンランド)の北極圏先住民族が継続しているが、韓国はその中にも入らない“偶然に網にかかった”2350頭が潤沢に国内に出回り、すでに日本に輸出しているくらいである。

そういえばブログ子は鯨のベーコンを酒の肴にしていたものだが、遠慮してもう30年は遠ざかっている。どうも日本はバカ正直がすぎるのではないか。欧米はただ油を取るためだけに捕鯨に邁進したが日本では余さず食べている。命を大切にした日本固有の食文化であると叫んでいても訴求力がない。世界はもっと狡猾である。

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