レールの検査数値改ざんなど一連の問題でJR北海道は21日、改ざんは全44保線部署中7割の33部署で以前から行われていたとの調査結果を公表した。これを受け、函館線大沼駅(北海道七飯町)での貨物列車の脱線事故直後に数値を改ざんした社員や、上部組織の責任者ら5人を解雇するなど計75人を処分。OBも含めた異例の大量処分となった。
解雇された5人のうち、大沼保線管理室の社員2人は懲戒解雇。記録書き換えを別の部下に指示した函館保線所長(56)や、国土交通省の特別保安監査が入る前日、改ざんを指示した函館保線管理室助役(54)ら3人が諭旨解雇となった。
いかにも大量処分で襟を正そうとしているように見えるが、ブログ子の見方は違う。北海道で4年間学生生活を送り、北海道に愛着があり、国鉄民営化では霞クラブ(鉄道記者クラブ)に出入りしてすさまじい労働争議を見てきたから、社員二人は労組員で処分も仕方ないが、あとは中間管理職のクビを切ってお茶を濁しているとしか見えない。
本当の原因は長年労組に浸透してほしいままに牛耳ってきた革マル派である。組織的なサボタージュ、如何にして働かないで禄を食むかばかりに腐心してきたデタラメな労働運動が度重なる事故の原因なのである。15日に余市港に入水したJR北海道元社長の坂本真一相談役(73)、2011年に自殺した4代目社長の中島尚俊社長はいずれも組合の厚い壁に絶望して命を絶ったのだと思う。
JR北には4つの組合がある。組合員の8割強を占める第1組合の北海道旅客鉄道労働組合(略称:JR北鉄労または道労組、JR総連系)、労使協調路線をとる JR北労組(五百数十人、JR連合系)、国労道本(百数十人)、全日本建設交運一般労働組合北海道鉄道本部=建交労道本部(十数人)だ。このうち最大労組の北鉄労はしっかり革マルが浸透していて、がんとして労使対決・革命路線を曲げない。
組合が違うと飲み会や結婚式にも呼ばないほどの対立関係にあるが、現場では数字の改竄など日常茶飯事だった。レール幅が実測ではすぐにも修理が必要な数字なのに会社幹部に上げず現場で処理していた。問題は経営への口出しである。、操作ミスを隠すため自動列車停止装置(ATS)のスイッチを故意に壊した運転士は、わずか出勤停止15日の社内処分である(のちに不十分として運転免許を取り消し処分)。
革マル派に乗っ取られた北鉄労と対立している第2組合のJR北海道労働組合のサイトにはこうある。
「週刊文春」に掲載された記事では、北鉄労が所属するJR総連を巡り、国会での答弁や政府答弁書などで革マル派との関係が指摘されている。また、公安当局によると、「JR総連傘下の北鉄労にも革マル派活動家が相当浸透している」「北鉄労の元委員長は“木暮”というペンネームを持つ革マル派の活動家で、“立花”というペンネームを持っていたJR総連の前委員長も北鉄労の出身である」。
経営幹部の責任を問うのもいいが、刑事事件として警察は捜査を始めるべき時期なのである。