「公募の校長」はダメだと思われてしまう

「公募の校長」の不祥事が続いている。

①全国公募で民間から採用された大阪市立小学校の男性校長(51)がPTA会費を持ち出すなど、ずさんな現金管理をしたとして内部調査を受けていた問題で、市教委はこの校長を更迭する方針を固めた。市教委によると、校長は春休みの今年3月下旬から休みがちになり、4月以降、病気などを理由に有給休暇を取り続けた。今年度になってから今月19日までの勤務すべき32日のうち、通常勤務をしたのは6日。残りは有給で休んだり、時間休を取ったりし、今年度の有給20日は既にほぼ消化したという。大阪市の民間人公募校長の更迭は2人目。(毎日新聞 5月21日)

②大阪府立高校の男性校長が先月、大阪市内のスーパーで食料品を万引きしたとして、府警が窃盗容疑で任意で事情を聴いていることがわかった。校長は容疑を認めているといい、府警は近く、同容疑で書類送検する方針。都島署によると、校長は5月28日午後3時ごろ、大阪市都島区のスーパーで和菓子など数点を盗んだ疑いがある。従業員が見つけ、取り押さえたという。校長は民間会社の出身で、4月に公募で採用されていた。(産経新聞 6月6日)

③「世界一の朝礼」をテーマに講演活動する会社代表らが福岡市立小学校2年のクラスの「朝の会」を3月に撮影、学校に無断でインターネットに投稿した。動画では児童が代表や担任教諭に続き「スーパーハッピー」「ついてるついてる」などと大声で復唱。「まるで居酒屋店員の研修」と批判が集まり、校長は保護者に騒動を謝罪した。代表は居酒屋チェーンを経営、ここで行われている朝礼とそっくりだとの指摘もあった。(朝日新聞 6月4日)

校長公募は元々、橋下徹市長(大阪維新の会代表)の公約でもあり、市は来年度に採用する公募校長の研修関連経費約2800万円を開会中の市議会に提案した補正予算案に計上している。橋下市長は「採用を厳格化し、いい人材を採用することに力を尽くす」と公募の継続に意欲を見せているが、自民。公明の市議からは「公募校長は不祥事が後を絶たず、信頼を失っている。制度を凍結し、来年度の実施は見送るべきだ」との指摘が相次いでいるという。

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実はブログ子はこの「公募の校長」に給料など教諭の半分でもいいから応募しようかと思ったほどである。何度も書いているが「教師は聖職である」と思っている。学生時代教職課程の単位はほぼ自動でついてきた。自分のような者が教壇に立つと手を上げてしまうかもしれない、と必修の日本国憲法をワザと落とした。

新聞記者生活を終えた時、今なら教壇に立ってもいいかという自負があった。今こそ子どもに「公」と「私」の間で自分の立ち位置を見つけられるように指導できるのではないかと思った。詰め込み教育でなく、仕事にせよ学問にせよ、何か一つその子が一生歩む道というものを自分で見つけられるようにしてやることが、教育で一番大切なことだという信念があった。自分で選んで自分で歩んだ長い人生から得たものだ。

橋下市長の維新の会は分裂で先行きもう一つぱっとしなくなったが、この「公募の校長」は彼でなくてはできないことで何とか成功させたいものだと思っている。しかるにこのような不祥事が続くのはなぜか。「志」(こころざ)を高く掲げた人材はいるはずなのである。

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