外来語が多すぎる

公共放送のNHKが「コンシェルジュ」「ファンド」「コラボ」といった外来語を番組で多用し、精神的苦痛を受けたとして、岐阜県の男性がNHKを相手取り、慰謝料141万円を求めた訴訟の判決が12日、名古屋地裁であった。斎藤清文裁判長は男性の請求を棄却した。

TKY201309030664原告の高橋鵬二さん(72)は、外来語が多用されている状況に危機感を抱き、「日本語を大切にする会」を立ち上げている。今回の訴訟で高橋さんは、「公共性の強いNHKは、視聴者の大部分が容易に理解できる言葉で番組を作る義務がある」と主張。NHKは必要がない場合でも外国語が乱用されていると主張。例として「リスク」「ケア」「トラブル」「コンシェルジュ」などを挙げ「不必要な精神的苦痛を与える」として、民法709条の不法行為に当たるとして、精神的苦痛に対する慰謝料を求めていた。地裁は「140万円を超える請求」を求める訴訟を扱うとされており、高橋さんは、あえて慰謝料を141万円とした。

これに対しNHKは、「外来語の乱用はないと考えている」としたうえで、「番組を視聴して不快感を抱いたという程度では、法的に保護されるほどの権利侵害とは言えない」と反論していた

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裁判には負けたが高橋さんの気持ちはよく分かる。このところ地裁段階でエっという判決が続出しているから、名古屋地裁以外あちこちで同種の訴えを出したらわかってくれる裁判長が何人か出てくるのではないか。それほど一般には共感を呼ぶ問題である。

NHKばかりでなく新聞もやたら外来語を氾濫させている元凶であるので責任の一端は自覚する。このブログでも少し前「韓国人のディベート術」と使ったばかりで、これなど「討論術」とか何か言い換えができたかもしれない。新聞社では昔新人記者に「中学生でもわかる言葉で書け」と教育した。いま若い記者に限ってカタカナ語を乱発するきらいがある。なにか知的でかっこいいとでも思っているのかもしれない。実際は逆できちんとした日本語が知的でかっこいいのだが。

政治家も責任がある。やたら「アジェンダ」を連発していたみんなの党の渡辺喜美代表は「政党公約」とでもしておけばよかったのに、8億円の「熊手」が命取りになり「アジェンダ」が普及する前に分党に見舞われた。民主党は「マニュフェスト」を盛んに使ったが「時期と予算を具体化した政権公約」は何一つ実現しないままバラバラになった。

「コンシェルジュ」というのにはじめてブログ子が出会ったのはスイス旅行の途次チューリッヒのホテルだが、ベルンで列車を乗り換えてユングフラウヨッホでこの登山列車に乗り、遊覧船でここまで行って列車で夕方またこのホテルに戻って来い、と詳細なメモを書いてくれたので便利な「接客案内係」がいるものだと感心した。

「コンプライアンス」など役人が盛んに使うがそう言うのに限って「法令遵守」ができていないでしょっちゅう不祥事が絶えない。ここまで書いたところでお気づきだろうが難しいカタカナ語など使わなくとも、言い換えがきく日本語は十分に用意されているのである。

この国名のうち3つが日本語

この国名のうち3つが日本語

我が国の先人たちは渡来した漢字に加えて、発明したひらかな、カタカナを駆使して作り上げてきた「漢字かな交じり表記」は、日本独特の文化を形成してきた。加えて「造語」の才をいかんなく発揮した。共産主義、社会主義に関する中国の書物は、ほぼ日本で出版されたものの翻訳である。共産主義、労働者、資本家、哲学、美術、文化、芸術等々。現在中国が使用している約1,400語といわれる日本の造語なくして、現代中国の社会科学系の本の出版は勿論のこと、学問の進歩もあり得なかったのである。中国人は信じないかもしれないが、国名の「中華人民共和国」のうち「人民」、「共和」、「国」の3つまでもが日本語なのである。少しは日本に感謝しても良さそうなものだが、毎日伝えられるのは感謝どころか恫喝ばかりである。

造語の才を発揮しすぎて、日本人にしか通用しない言葉もある。「パソコン」や「ノートパソコン」は、「ラップトップコンピュータ」だが、新聞や企業等のHPで見かけるのは和製英語の方ばかりである。「ハンバーグ」も正しくは「ハンバーガーステーキ」だがとんと見かけない。野球は正岡子規が発明した言葉だが、四球、デッドボール、フォアボール、オープン戦・・・今や日本人にしか通じないがこれで十分機能している。

大抵のカタカナ語には豊富な日本語でほぼすべてが言い換えがきくことをもうすこし認識すべきだろう。そうそう「認識」も日本人の発明である。

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